2011年(平成23年) 10月12日(水)付紙面より
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遊佐町の第34回「神鹿(じんろく)角切祭」が10日、鳥海山中腹の国民宿舎「大平山荘」鹿公園前で行われ、同町の少年議員2人が長く伸びた雄ジカの角を切り落とした。
同鹿公園では、町が6月初旬から10月末までニホンジカを飼育。そばに鳥海山大物忌神社中の口宮が祭ってあることから「神鹿」と呼んでいる。
角切祭は、秋の鳥海山をPRするとともに、繁殖期を前に雄ジカ同士が争ってけがをするのを防ごうと1976年からこの時期に開催。切り落とされた角は御利益があると言われ、抽選でプレゼントされることもあって毎年、大勢の行楽客が縁起物を求めて訪れる。
この日、標高1000メートルの鹿公園は曇り空で冷たい風が吹く肌寒い天候。それでも家族連れらが大勢詰め掛け、駐車場から車があふれた。午前10時から同神社中の口宮前で神事。時田博機町長らが玉ぐしをささげて秋の実りに感謝するとともに、最終盤に入った鳥海観光の無事故を祈った。
その後、鹿公園前の特設ステージで、烏帽子(えぼし)に直垂(ひたたれ)姿の同町少年議長の日高龍功君(遊佐高2年)と少年副議長の仲鉢和真君(同)が、40センチほどに伸びた雄ジカ2頭の角を、糸ノコギリで切り落とした。
鹿の角や花笠人形などが当たる抽選会、威勢の良い鳥海太鼓の演奏、芋煮の無料振る舞いも行われ、詰め掛けた家族連れらは紅葉シーズンに入った鳥海山の自然と一緒に楽しんでいた。