2012年(平成24年) 3月31日(土)付紙面より
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東日本大震災で甚大な被害が出た岩手県大槌町と福島県南相馬市の児童たちが、29日まで2泊3日の日程で遊佐町を訪問。最終日は、町内を流れる河川で自然観察をしたほか、同町白井新田のしらい自然館でそば打ちを体験、遊佐の自然を満喫した。
文部科学省、農林水産省、総務省が進めている「子ども農山漁村交流プロジェクト」のうち、農水省が管轄する「食と地域の交流促進事業」の一環で、教育旅行の受け入れを行っている遊佐町の「鳥海山“おもしろ自然塾”推進協議会」(齋藤武会長、事務局・しらい自然館)が、被災地支援の一つとして「春休み自然体験事業」と銘打ち企画した。
今回、同町を訪問したのは大槌町と南相馬市の4―6年生22人で、今月27日に遊佐入り。協議会員の自宅に民泊するなどしながら、吉出地区の農林漁業体験実習館「さんゆう」での雪遊び、胴腹(どうはら)滝での湧水探検、ウルイの収穫作業などを体験、初春の遊佐を堪能した。
最終日は、町内を流れる河川での自然観察の後、同自然館を会場に金俣地区で採れたソバを使ってのそば打ち体験。児童たちは、ソバを栽培している同地区の齋藤拓男さん(62)ら3人から「水を入れる時は全体にまんべんなく」「混ぜる時は指先で」と指導を受けながらこねたり、切ったり。「手が粉だらけ」「太いそばになった」などと悪戦苦闘していた。
その後、自ら打ったそばと、ウルイのてんぷらで昼食。児童たちは「おいしい」と歓声を上げていた。
竹澤光太郎君(10)=南相馬市立中村第二小4年=は「雪遊びと、民泊先でのたこ焼き作りが楽しかった。また、遊佐に遊びに来たい」、鈴木大和君(12)=大槌町立大槌北小6年=は「全部楽しかった。この体験を家族にも伝えたい」と話していた。
児童たちは昼食終了後、それぞれ帰途に就いた。