2012年(平成24年) 10月10日(水)付紙面より
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遊佐町の第35回「神鹿角切祭(じんろくつのきりさい)」が8日、鳥海山中腹の国民宿舎「大平山荘」鹿公園前で行われた。秋らしい柔らかな日が差す絶好の行楽日和の中、親子連れらが訪れ、同町の少年議員2人が長く伸びた雄ジカの角を切り落とした。
鹿公園は1977年に標高1000メートルにある同山荘の一角にオープンした。例年、6月初旬から10月末までニホンジカが飼われ、行楽客や登山客の人気を集めている。そばに鳥海山大物忌神社中の口宮が祭ってあることから、同公園の鹿は「神鹿」と呼ばれている。
角切祭は、秋の鳥海山をPRするとともに、発情期を前に、雌ジカや今年春に生まれた子ジカが傷つかないように毎年この時期に開催。鹿の角は御利益があるとされ例年、抽選で当たる角目当てに大勢の行楽客が訪れている。
この日は2頭が対象で、烏帽子(えぼし)と直垂(ひただれ)姿で登場した少年議長の三浦遼太君(遊佐高2年)、少年議員の土門直嗣君(同)が、糸のこで長さ40センチほどまで成長した角を切り落とした。三浦君は「最初はかなり緊張したが、切っているうちに楽しくなった」と話していた。
鹿の角などが当たる抽選会、威勢の良い鳥海太鼓の演奏、芋煮の無料振る舞いも行われ、県内外から訪れた行楽客らは秋の鳥海山を堪能していた。