2012年(平成24年) 11月13日(火)付紙面より
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遊佐町と遊佐ブランド推進協議会(会長・時田博機町長)が主催した鳥海山カレーサミット「東北カレーシンポジウムin遊佐」が11日、同町の鳥海温泉「遊楽里」などで開かれた。講演やパネル討議、カレーの食べ比べなどを通し、町民らがカレーについて考察するとともに、遊佐から全国に向けてカレー文化を発信した。
同協議会は2010年、「遊佐カレー開発プロジェクト」と銘打ち、地元産の農産物をできる限り用いることを目標にしたカレールーの開発に着手。同プロジェクトには町内の生産者や飲食店関係者、町職員、一般町民が参加。カレーの基礎知識や試作、研修などを重ね今年7月、「大人も好む甘口」仕立てのカレールー「鳥海山の恵みをいただくカレールウ」が誕生した。
今回のシンポジウムは、「ご当地カレー不毛の地“東北”に華(はな)を咲かせる」がテーマ。新開発した「遊佐のカレールー」を全国に向けて発信するとともに、東北地方でカレーによる地域おこしの口火を切ろうと初めて企画した。
この日は最初、カレーコンサルティング業「カレー総合研究所」(東京都新宿区)の井上岳久社長、鳥取市の鳥取カレー研究所広報部長を務める植田英樹さんがそれぞれ講演した。
植田さんは、2005年に設立された市民団体「鳥取カレー倶楽部(くらぶ)」の活動内容を説明した上で、「『これは楽しい』『これは自慢できる』というものをつくり出して広げていく。それが地域をつくるということ」と語った。そして、「地域ブランド」誕生の要素として▽地域の当たり前の発見▽地域との必然性▽常に動ける仲間の獲得―などを挙げ、「鳥取はカレーで市民が元気になっている。遊佐ならではのスタイルを確立してほしい」とアドバイスした。
引き続き、井上社長のコーディネートで、時田町長、「遊佐のカレールー」を製造・販売している「ゆざ食彩工房」の広瀬順一社長、同プロジェクトメンバーの伊原ひとみさんらがパネル討議。遊楽里に隣接する「とりみ亭」では昼食時、全国の「ご当地カレー」を食べ比べするカレーバイキングも開かれ、家族連れらでにぎわった。