2013年(平成25年) 1月16日(水)付紙面より
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遊佐町で促成栽培ウルイの収穫作業が本格化している。もみ殻の中から掘り出されたウルイは、透き通るような純白の茎と、優しい薄緑色をした葉のコントラストが鮮やかで、早春の息吹を感じさせている。
ウルイは、ユリ科ギボウシ属の多年草・オオバギボウシの若葉。同町での促成栽培は山間部で、30年余り前から始まった。2年前の春に株分けしたウルイを前年晩秋から順次、ビニールハウスに移植してもみ殻をかけ、地中に通したパイプにお湯を流すなどして床を15度前後に暖めながら1カ月ほど育て、30センチ程度になったものを収穫する。
冬の農閑期に収入を得られるのが魅力。同町では近年、JA庄内みどり鳥海山菜専門部(村上専之助専門部長)の三十数人が約5・5ヘクタールで栽培、年間約30万パック(100グラム詰め)を主に首都圏に出荷しており、全国トップクラスの品質と収穫量を誇る産地になった。
促成栽培のウルイは癖がなく、サクッとした歯応えと軽いぬめりが特徴。あえものや浅漬け、油炒め、天ぷらなどのほか、生でも食べられる。
同町白井新田の農業・金野勝彦さん(59)は20年ほど前から、自宅そばのハウスで栽培。今季は例年並みの12月10日ごろに初出荷した。「昨年夏の高温と乾燥の影響が心配だったが、生育はほぼ順調」とし、「遊佐のウルイは無農薬。私は、みそマヨネーズを付けて生のまま食べるのが一番好き」と話している。収穫は4月上旬まで続く。