2013年(平成25年) 1月25日(金)付紙面より
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また食べたい―。遊佐町の遊佐小学校(田中泰校長)で23日、給食に旬の地魚を活用したメニューを取り入れる「地魚デー」の取り組みが行われた。今回、提供されたのは酒田港で水揚げされた「クロソイ」。塩焼きされた体長50センチほどの“大物”4匹が瞬く間に6年生児童42人の胃袋に収まる人気ぶりで、関係者は「家庭でも旬の魚介類を話題にしてもらい、消費拡大につながれば」と期待している。
「地魚デー」の取り組みは、給食サービス、農産物加工製造の「ゆざ食彩工房」(同町比子、広瀬順一社長)と、町内の学校・施設、卸売業者が連携して本年度から始まった。
県の委託を受け同社が昨年度、社会福祉施設での地元産食材の使用状況を調査した結果、野菜に比べ、水産物の使用率が低いことが分かった。地魚の積極的な活用に向け、福祉施設のほか、小中学校などの給食に活用してもらうことで消費拡大を図ろうと、いずれも庄内浜文化伝道師で、同社社員の佐藤憲三さん、水産物卸の山形丸魚酒田営業所鮮魚課係長の相田満春さんが「まとめ役」となり、昨年6月の初回の取り組みでは酒田沖で捕れたオキギスを使ったすり身汁を町内の学校・施設で提供した。
第2弾の今回は「刺し身や煮付け、塩焼き、揚げ物と何でもおいしい。北海道ではタイ以上の高級魚」(相田さん)というクロソイを用意。ランチルーム中央に置いたホットプレートで塩加減を調整しながら4匹を焼いた。
「焼けたよう」という先生の合図で、児童たちは身をほぐしながらそれぞれ取り分け。佐藤さんらから「えらの周囲や目玉もおいしいぞ」などとアドバイスを受け、早速口に運んでいた。高橋虎太郎君(12)は「なじみのない魚だけど、とてもおいしい。骨はちょっと面倒。それでも上手に食べることができた」と話していた。
引き続き佐藤さんと相田さん、県水産課の遠藤浩幸主査が魚に関する講話を行い、児童たちは熱心に聴講していた。佐藤さんは「この取り組みを家庭で話題にしてもらうことで、父母、祖父母から『今度、家でも使ってみようか』という意識を持ってもらえたら」と話していた。