2020年(令和2年) 6月2日(火)付紙面より
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庄内浜を代表する初夏の味覚・岩ガキの素潜り漁が31日、庄内沿岸の5海域で解禁。各地の漁港では朝から地元漁師が漁に繰り出した。
県漁業協同組合(酒田市、本間昭志代表理事組合長)は毎年5月中旬まで出荷を自主規制しており、水質検査などの結果を受け漁を解禁している。支所・出張所による吹浦と酒田、由良、豊浦、温海5海域で安全性が確認されたことから29日、31日からの採取を解禁した。
このうち鳥海山から注ぐ清流や伏流水で岩ガキの育ちが良いことで知られる遊佐町の吹浦漁港からはこの日、くっきりと姿を現した鳥海山に見守られ、5隻が出漁。第三栄祥丸の土門拓也船長(46)は午前7時半に出航し、約3時間にわたって次々と採取した。
帰港後は出荷に向けた準備作業。包丁などを使用して殻に付いた海藻をはがす「カキたたき」を繰り返していた。土門船長は「身の入りはかなり良い。新型コロナウイルス感染症の影響で海産物の需要が減っているが、より多くの人から味わってもらいたい」と話した。残る鼠ケ関、加茂両海域とも安全性が確認され次第、採捕が可能となる。岩ガキ漁は8月いっぱい行われるという。