2020年(令和2年) 9月20日(日)付紙面より
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酒田調理師専門学校(土門陽吉校長)の高度調理技術科2年生5人が18日、遊佐町吹浦沖の海水で製塩している「さかたの塩」(酒田市宮海、大川義雄社長)を訪問、同社創業者の高橋充治さん(76)=高橋建築会長=の講義、体験を通し、料理を引き立てる「塩」について理解を深めた。
「さかたの塩」は高橋会長が2008年、建築廃材を燃料にして製塩を始め今年7月、独立・法人化した。鳥海山の伏流水が流れ込む吹浦沖で海水をくみ直火で平釜を煮詰め、ミネラル分が豊富な塩を製造している。先月には日本酒の酒粕、ワインの澱をそれぞれ使った「酒粕塩」「ワイン塩」を発表し早速、人気商品になっている。
今回の訪問は、調理師を目指す学生たちから天然の塩づくりを学んでもらおうと、同校が展開する「地域の食文化を担う人材育成プログラム」の一環として行われた。講義で高橋さんは「海水1500リットルから採れる塩は約50キロ」「平釜を煮詰める際の火力の強弱、時間の長短で細かさを調整している」などと紹介した。
学生たちはその後、平釜から塩をすくい、にがりを取り除く作業を体験。すくったばかりの塩をなめた学生たちは一斉に「しょっぱい」。塩分濃度30%のスプレータイプ液状塩「水塩―円満塩」はじめ同社が製造するさまざまな塩を用いてキュウリ、トマトを食べ比べ、「粗塩が好み」「焼き塩がおいしい」などと会話を弾ませていた。
同校によると、来月には調理科1年生も同社を訪問し見識を深めるという。