2020年(令和2年) 10月24日(土)付紙面より
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淡水魚に造詣が深く、長年にわたり遊佐町の小中高校で外部講師を務め昨年9月に66歳で急逝した故鈴木康之さんの遺志を受け継いでいこうと、同町の藤崎小学校(村上秀夫校長、児童115人)の6年生24人が22日、学校近くを流れる西通川の清掃活動を繰り広げた。胴長を着けた児童たちは次々とごみを拾い集めた。
鈴木さんは酒田市内でラーメン店「味好駅東店」を経営する傍ら、町内の小中高校が展開する、特に月光川水系をフィールドとした総合学習の際に外部講師を務め、児童・生徒たちに川や生き物に触れる楽しさを紹介してきた。
藤崎小では、前身の一つ、旧西遊佐小時代から20年近くにわたって西通川をテーマにした総合学習を繰り広げ、鈴木さんは年5回ほど来校。講義を行ったり、一緒に川に入って淡水魚を捕まえるなどの活動を展開してきた。これらが評価されて鈴木さんと西遊佐小は2012年、県制定「環境やまがた大賞」を共同で受賞した。
児童から鈴木さんの遺志を受け継いでもらい、故郷の自然を守るという気持ちを養ってもらおうと同校は昨年から、月光川と日向川を結ぶために造成された西通川の清掃活動を繰り広げている。この日は曇り空ながら心地よい風の吹く中、胴長姿の児童たちは同川へ。空き缶や空き容器とともに、土砂が堆積してなかなか取れないビニールシートや堆肥袋などもあり、協力して集めていた。
4年生の時、鈴木さんから遊佐の湧水を使ったラーメンの作り方を教えてもらったという渋谷柚姫さん(12)は「トタンの一部やビニール袋が多くてかなり大変」、藤原光祐斗君(12)は「ごみが多くてバケツに入りきらない」と話した。