2020年(令和2年) 12月11日(金)付紙面より
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日本海沿岸東北自動車道(日沿道、新潟―青森間延長約322キロ)のうち、庄内地域の酒田みなとインターチェンジ(IC)―遊佐比子IC間5・5キロが、13日(日)午後3時に開通する。庄内地域を縦貫する日沿道で新たな開通区間となるのは、2012年3月のあつみ温泉―鶴岡間以来8年9カ月ぶり。今回の開通で庄内の日沿道が秋田県境に向かって北に延伸する形となり、酒田市から日向川を越えて遊佐町に高速道路が達する。未開通の遊佐比子―象潟(秋田県にかほ市)間は26年度までに順次開通し、6年後には秋田県境部分が高速道路でつながる見通しとなっている。
開通する酒田みなと―遊佐比子間は、09年度に事業化された酒田みなと―遊佐鳥海間12キロの一部。同区間のICの名称は「遊佐比子」「遊佐鳥海」が仮称と同じ名称で、仮称・遊佐十里塚は「遊佐菅里」となった。12キロ区間全体の事業費は約310億円で、国が「新直轄」区間として整備を進めている。今年3月末の事業費ベースの進捗(しんちょく)率は78%、用地買収進捗率は98%。
遊佐比子ICは国道7号と接続する。開通日の13日は午前11時半から酒田みなとIC北側の本線上で開通式を行う。国土交通省や県、庄内地域の市町、沿線自治会などの関係者が出席し、テープカット、くす玉開披、酒田みなとから遊佐比子まで参列者車両の通り初めを行い、同日午後3時に一般車両の供用を開始する。設計速度80キロの2車線で、無料区間となる。開通によって、現在の国道7号の津波規制区間を回避した信頼性の高い道路ネットワークが形成され、重要港湾・酒田港を核とした物流の効率化、地域産業の活性化、鳥海山・飛島ジオパークなど環鳥海エリアの観光振興といった効果が期待されている。
建設が進む遊佐比子―遊佐鳥海間6・5キロは23年度、秋田県側の小砂川―象潟間7・3キロは25年度、同県にまたがる遊佐鳥海―小砂川間10・6キロは26年度にそれぞれ開通する見通しで、26年度までに秋田県境部分がつながり、日沿道は鶴岡市から東北自動車道と連結する秋田県小坂町までの約230キロが開通する見込みとなっている。
酒田みなと―遊佐鳥海間が開通すると、遊佐比子ICは秋田方面にのみ、遊佐菅里ICは酒田方面にのみそれぞれ乗り降り可能なハーフインターとなる。