2024年(令和6年) 8月15日(木)付紙面より
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山形交響楽団サマーコンサートが12日、遊佐町生涯学習センターで開かれた。飯森範親さんのタクトでベートーベンの交響曲第3番「英雄」などを披露。プロのフルオーケストラメンバーが奏でる絶妙かつ迫力あふれる演奏が、先月の記録的な豪雨で傷ついた被災者らの心に染み入り、ひと時の安らぎを与えた。
町合併70周年記念事業の一環で町と町教育委員会が主催。町内では多くの地区で豪雨被害が発生したこともあって開催の可否を迷ったものの、「音楽は心の栄養剤」「被災者へのすてきな癒やしの時に」などの考えから実行に踏み切った。
町民ら約450人が来場。飯森さんはプレトークで、被災住民らにお見舞いの言葉を掛けた。コンサートは同町ゆかりの作家、故・新井満さん作曲「遥かなる鳥海山」で開幕。2004年生まれの若手ながら数多くの全国大会で1位を獲得している田村咲葉さんがソロを務め、モーツァルト作曲「ヴァイオリン協奏曲第5番」を華麗なテクニックで披露し聴衆を魅了した。
演奏時間約50分という長さがありベートベンの最も重要な作品の一つに数えられる「英雄」の指揮が終わると、ほぼ満員の客席から惜しみない拍手が送られていた。