2019年(令和1年) 8月31日(土)付紙面より
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鶴岡市のバイオベンチャーのスパイバー(関山和秀代表執行役)と、ゴールドウイン(東京、西田明男社長)は29日、微生物による発酵プロセスで作られた新たな構造タンパク質素材の糸を使ったアウトドアジャケット「ムーン・パーカ」を、12月に数量限定で発売すると発表した。2015年の試作品発表から4年がかりで課題をクリアし、アウトドア向け製品の世界初の商品化を成し遂げた。
両社は石油などの化石資源をベースにした短期視点の消費型経済から、持続可能な資源に基づく長期視点の循環型経済への転換を視野に入れ、「脱石油」の繊維開発を目指して共同研究を進めてきた。
当初素材として想定した人工クモ糸の繊維は、水にぬれると数十%の収縮が起こる「超収縮」の特性があり、製品の寸法安定性に課題があった。このためスパイバーはさまざまなクモの遺伝子解析を進めるなど基礎研究から見直し、超収縮性を生み出すアミノ酸配列の特徴を推定。この特徴を配列から取り除くなど、配列を大規模に改変した遺伝子を新たに設計。同時に独自の紡糸、製織、加工プロセスも確立し、水にぬれても耐久性や安定性のある新たなタンパク質繊維の開発に成功した。
ムーン・パーカは、ゴールドウインのアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」とスパイバーの連携企画商品として販売する。3層から成る表地の表側に新開発の構造タンパク質を100%使用。中綿には同ブランドの最上級の商品群に採用されているダウンを使用。冬のアウトドアからタウンユースまで幅広く使えるようシンプルなデザインを追求した。
東京・南青山で29日、ゴールドウインの渡辺貴生副社長と記者会見したスパイバーの関山代表執行役は「人類がより良い社会へと飛躍していくための大事な第一歩になった」と話した。
限定50着の抽選販売で、価格は15万円(税別)。特設サイトで10月31日まで購入申し込みを受け付け、当選者は東京・渋谷パルコに開業する店舗で12月12日から購入できる。
2019年(令和1年) 8月31日(土)付紙面より
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英国船籍の大型外航クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万6000トン)が30日、酒田市の酒田北港古湊埠頭(ふとう)に寄港した。同船の酒田への寄港は本年度3回目。埠頭には市民らが集まり、午前7時ごろに接岸した船を歓迎。乗客は夕方までの寄港中に街中散策などを楽しんだ。
今回は「日本巡拝の地めぐりと韓国」と銘打った9泊10日のツアーで、今月23日に横浜港を出発。鳥羽、高松、韓国・釜山、境港、金沢の各港を巡って酒田が最終寄港地。“プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会によると、約2800人が乗っているという。
この日は午前7時ごろに着岸、酒田のシンボル・大獅子、「さかた観光交流マイスター」を務める酒田舞娘(まいこ)、出羽三山神社の羽黒山伏、市内の幼稚園児と共に、同市の「あののん」「もしぇのん」はじめ近隣市町のイメージキャラクターがお出迎え。下船した乗客は早速、酒田舞娘、山伏らと記念写真に納まるなどしていた。
一方、大勢の乗客が繰り出した中町モールや中通り商店街は、あいにくの雨降りにもかかわらず大にぎわい。乗客は甲冑(かっちゅう)着用や居合術などを体験したほか、観光ガイドや道案内を買って出た高校生と積極的に交流していた。
船は同日午後4時ごろに横浜港に向け出航。9月16日(月・祝)にはこれまでで最大となる「MSCスプレンディダ」(13万8000トン)が酒田港に寄港する。