2019年(令和1年) 9月3日(火)付紙面より
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任期満了に伴う酒田市長選は1日、投票が行われた。即日開票の結果、ともに無所属で、現職の丸山至氏(65)=自民、公明推薦。光ケ丘一丁目=が、約7年ぶりの返り咲きを狙った元職の阿部寿一氏(60)=国民民主推薦、社民支持、共産自主的支援。亀ケ崎三丁目=を約4600票差で振り切り、再選を果たした。当日有権者数は8万7320人、投票率は前回を1・93ポイント下回る57・64%で、過去最低となった。
丸山氏は加藤鮎子衆院議員や自民党県議3人、市議会の保守系会派「公成会」、革新・労組系会派「市民の会」の一部などの支援を受けた。前半は、阿部陣営が仕掛けてきた財政問題を中心にした批判の反論に追われたが、後半からは「4年間でこれほど多方面で成果を挙げた市長はいない」「酒田が明るく、元気になった」など子育て支援の拡充や産業振興など1期目の成果と、「東北公益文科大の公立化の検討」など2期目に向けた政策をきめ細かく訴えて浸透を図り、激しく追う阿部氏を振り切った。
阿部氏は、舟山康江、芳賀道也両参院議員や阿部ひとみ県議、佐藤藤彌前県議、市議会の保守系会派「志友会」、「市民の会」の一部などの支援を受け、7月の参院選の「野党共闘」による勝利の再現を目指した。財政問題や「一部に偏った市政」など現職批判を中心に訴えたが、出馬表明が告示の約3週間前と遅かったことや、国政・市政の違いから共闘体制が参院選ほど強固でなかったこと、約7年前に自ら市長を辞め国政を経て再び市長に戻ろうとすることへの反発も強く、及ばなかった。
投票率は、過去最低の2012年10月の59・32%を下回った。同年は、阿部氏が国政転出のため市長を辞職したことに伴うもの。
一方、同時に行われた市議補選(欠員2)は、新人で前連合山形酒田飽海地域協議会事務局長の阿部秀徳氏(57)=若宮町一丁目、今春まで加藤鮎子衆院議員の秘書を務めた元職の齋藤直氏(56)=緑ケ丘一丁目=の2人が当選。元小学校長の阿彦裕光氏(61)=ゆたか二丁目、飲食店経営の依木勝氏(55)=末広町=の2人が涙をのんだ。経歴や市長選との連動状況から、当選した阿部氏は「市民の会」(6人)、齋藤氏は「公成会」(9人)にそれぞれ合流するとみられる。
2019年(令和1年) 9月3日(火)付紙面より
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鶴岡市の出羽三山神社(宮野直生宮司)の「八朔(はっさく)祭」が31日夜、羽黒山頂で執り行われ、山伏修行・秋の峰の修験者たちが護摩壇を囲み、勇壮な火祭りを繰り広げた。
五穀豊穣(ほうじょう)を願うとともに、擬死再生の行に臨む修験者たちが、生命を得て生まれ変わるための自分の葬儀ともされる。今年の秋の峰には海外からも合わせて165人が入峰(にゅうぶ)した。
出羽三山の開祖・蜂子皇子を祭る山頂の蜂子神社で神事が執り行われる中、荒行を遂げて精悍(せいかん)な顔つきとなった修験者の一行が同神社周辺に合流。蜂子皇子にささげる拝詞の大合唱が、境内に響き渡った。
神社前の護摩壇に御神火が放たれると祭りは最高潮に。秋の峰を10回以上経験した「度位の新客」たちが長さ4メートルほどの火ばしで柴燈護摩を突く「火ばし神事」を繰り広げた後、修験者たちは拝詞を唱えながら護摩壇を巡り、祭りを締めくくった。