2019年(令和1年) 9月15日(日)付紙面より
ツイート
10月1日(火)にスタートする観光誘客事業「新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせ、酒田市中心部を楽しい「うわさ」が記載された小型ポスターで埋め尽くす「酒田のうわさプロジェクト」。うわさプロジェクトの発案者、山本耕一郎さん(50)=青森県八戸市在住=が13日、酒田市を訪れ、同市の大通り商店街振興組合(齋藤仁志理事長)でプロジェクト展開中の酒田南高と浜田小の生徒・児童を激励するとともに、各店舗を回って「うわさ」掲示の協力を依頼した。
山本さんが全国各地の学生・生徒らと展開している同プロジェクトは、普段は知り得ることのできない楽しい「うわさ」を、人と人、人と店、人と街をつなぐコミュニケーションツールとして活用、それぞれが持っている魅力を広く発信することで街中ににぎわいを創出しようというもの。
酒田では、新潟・庄内DCに向けて昨年12月から、市と酒田商工会議所、酒田南高、東北公益文科大「酒田おもてなし隊」が山本さんと共に推進。今年5月の酒田まつりでは、祭り会場に専用屋台を出し、ユニークな「うわさ」が掲載された青色のバッジ「うわさバッジ」や、「うわさおみくじ」を行き交う祭り客に無料配布しPR。外航クルーズ船が酒田港に寄港した同6月には、英訳したうわさポスターを中通り・中町中和会両商店街加盟店に掲示した。
児童と生徒が協力し地域課題を探り、自分たちでできることを見つけ出してもらおうと同7月、浜田小がプロジェクトに参画。同校5年生38人は酒田南高観光・地域創生専攻1年生9人と共に同8日、9班に分かれて学区内に位置する大通り商店街加盟の18店舗を訪問、店の特徴・歴史、店主らの好きなものなどを聞き取り、「うわさ」を収集した。
13日は山本さんが浜田小を訪問し、児童・生徒に対しプロジェクトを始めたきっかけなどを講話、「みんなが笑顔になり、元気になって仲良く暮らすことができたらいいなあという思い。『うわさ』をきっかけに酒田が楽しくなり、みんなから喜ばれる街になってほしい」と語り掛けた。その後、児童・生徒は山本さんと共に商店街に繰り出し、うわさポスターの店頭掲示を依頼するとともに、張る位置を店主らと相談した。
大通り商店街の齋藤理事長は「商店街を挙げて完成を楽しみにしている。浜田小、酒田南高は同じエリアにあり、今後も一緒に活動を行いたい」と話した。山本さんによると、同DCの開幕に合わせ、拠点となる「うわさラボ」を市内に設置。大通り商店街各店舗へのうわさポスターの掲示はDCスタート後、最初の週末となる10月5日(土)前後になる予定という。
2019年(令和1年) 9月15日(日)付紙面より
ツイート
鶴岡市西荒屋在住の長南光(みつ)さん(70)が仏画・三部作の綴(つづ)れ織り作品を完成させ、同じ櫛引地域丸岡の天澤寺(てんたくじ)で開眼供養(式)が13日行われた。
鶴岡市出身で綴れ織りの世界的な名匠と知られた遠藤虚籟(きょらい)が生前作ったものを2分の1サイズに復元させたもので、「阿弥陀如来」「観世音菩薩」「勢至菩薩」の3作品。「阿弥陀如来」は世界平和を祈念し、米国ニューヨークの国連本部に1950(昭和25)年に贈られ、現在も展示されている。
当初は10年計画で完成を目指していたという長南さんだが「虚籟先生が下りてきたのか3年で完成させることができた」という。農業の傍ら農家民宿・知憩軒を営んでいることでも知られるが入魂の作品だったようだ。
自宅近くに虚籟作品を所有している人がおり、見ているうちに心奪われ、綴れ織り制作に打ち込むようになって足かけ30年という。
天澤寺は終戦前後、虚籟が寄宿しさまざまな作品を制作し、また戦国時代の武将、加藤清正の墳墓があることでも知られる。
作品は6月17日に完成し翌18日朝、同境内の墓前に報告された。その夜、庄内沖を震源とする地震が起こった。「何か、やはり縁があったというか…。自然を含めて世の中の平和を作品に託したい」と語った。
多くの市民が気軽に見られることを作者として希望しており、今後鶴岡市など関係団体と調整される運びだ。