2019年(令和1年) 9月20日(金)付紙面より
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酒田市の友好都市である中国河北省唐山市に酒田産の日本酒が初めて輸出されることになり18日、輸出記念式典が輸出元である同市黒森の酒蔵「菊勇」(佐藤剛宏社長)で行われ、関係者がさらなる県産品の輸出拡大への願いを込め、テープカットで初輸出を祝った。
唐山は、酒田大火があった1976年に大地震が発生。共に大きな災害に見舞われた縁で交流が始まり、90年7月に友好都市の盟約を締結した。今年5月には経済交流促進を狙いに丸山至市長を団長とする市使節団が訪問。8月初めには、唐山市内でショッピングモール3店舗やホテルなどを経営する「唐山神鷹科技有限公司」の楊俊来社長が酒田を訪れ、菊勇の工場などを見学。「日本酒をすぐに輸入したい」との意向を示したことから、同月下旬には菊勇の佐藤社長や流通関係者らが唐山を訪問し、商談をまとめてきた。
今回輸出するのは、県産酒造好適米「雪女神」を100%使用し、今年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)SAKE部門の純米大吟醸の部でリージョナルトロフィーを受賞した「栄冠菊勇 雪女神 純米大吟醸」をはじめ、県産出羽の里100%の純米酒、国産山田錦100%の純米大吟醸の3種で、四合瓶と一升瓶、合わせて3678本(四合瓶換算で約4500本)。
酒は20フィートコンテナ1個分で、保冷機能付きのリーファーコンテナに入れ、中国で大型連休となる「国慶節」(来月1日)に合わせ酒田港から輸出される。今年5月に市使節団が訪中した際、同港と唐山の京唐港を、韓国・釜山経由で結ぶコンテナ航路が開設されたことから、同航路を使うことになるという。
この日の式典には、国土交通省酒田港湾事務所や県港湾事務所、市、流通関係者ら約30人が出席。酒田港湾振興会長の丸山市長は「酒田港から京唐港への輸出がこんなに早く実現するとは思っていなかった。産物をどんどん輸出し、地域経済の発展につながれば」、佐藤社長は「この絆を太くし、将来はより多くの酒田の産物や山形の酒を酒田港から輸出できれば」とあいさつした。引き続き、酒を積み込んだトラックの前で関係者がテープカット、拍手でトラックを送り出した。
佐藤社長によると、欧米での小売価格は国内の1・7―2倍程度で、中国でも同程度の価格が予想される。既に、来年2月の旧正月「春節」の時期にもコンテナ1個分の輸出を打診されているが、「まずは今回の出荷分が無事に到着するのを見届けてから」(佐藤社長)と、販売状況なども見ながら取引拡大を検討する考えだ。
2019年(令和1年) 9月20日(金)付紙面より
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鶴岡市敬老のつどいが19日、荘銀タクト鶴岡(市文化会館)で開かれ、参加した高齢者たちが園児の踊りや太鼓演奏、市内の団体による舞踊を楽しんだ。
長年社会に尽くしてきた高齢者を敬愛し長寿を祝うとともに、高齢者福祉について市民の感心と理解を深めようと、市主催で毎年開催し、今回が54回目。同市の65歳以上の高齢者は約4万3000人と人口の3分の1を占め、比率は上昇傾向が続いている。
つどいには関係者を含め約400人が参加。式典で皆川治市長が「皆さんから大正、昭和、平成と鶴岡のまちづくりに尽力いただき、令和となった今の鶴岡を築いていただいた。今後とも住みやすい地域、安心して暮らせるまちづくりに努めていく」とお祝いの言葉を述べ、数え年101歳以上(9月1日現在106人)で出席した大川勝三郎さん(数え103歳、鳥居町)、榊原竹恵さん(同101歳、由良)、丸山花子さん(同101歳、おおやま入所)、鈴木房子さん(同107歳、おおやま入所)の4人に花束を贈った。引き続き、高齢者作品展の表彰などがあった。
式典の前後で民田保育園児の踊りや太鼓演奏、劇団夢一座と八沢会による舞踊のアトラクションがあり、お年寄りたちに楽しいひとときをプレゼント。羽黒高の生徒たちがボランティアでつどいの運営に協力したほか、同館エントランスホールでは、保育園児が描いたおじいちゃん、おばあちゃんの絵の展示、障害者就労施設の手作り品の販売も行われた。