2019年(令和1年) 9月25日(水)付紙面より
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今月7日まで6泊7日の日程でチェコ共和国を訪問し、首都・プラハにある欧州安全保障協力機構(OSCE)プラハ事務所、在チェコ日本大使館で要人による講話を聴講した東北公益文科大学(吉村昇学長)の2、3年生6人による帰国報告会がこのほど、学内で行われ、充実した日々について語った。
チェコを訪問したのは3年の外山楓さん、手塚麗羅さん、前田小代莉さん、湯本巴瑠季さん、2年の中條紘太さん、平沼里穂子さんの計6人。OSCEは欧州諸国と米国、カナダ、旧ソ連諸国など57カ国が参加する世界最大規模の地域的国際機構で、人権・マイノリティー(社会的少数者)の保護、軍備管理などを担っており、日本は1992年からオブザーバー参加している。オーストリア・ウィーンに本部がある。
OSCEは東西冷戦終結に尽力。今年、終結から30周年の節目を迎え、主として冷戦の歴史について学んでもらおうと、2007年6月から半年間、OSCEで研究していた経歴を持つ玉井雅隆公益大准教授(国際関係論、多文化共生論など)が参加学生を募って訪問を企画したもの。国際的視野や国際感覚を身に付けることで自国の発展、世界平和に貢献できる人材育成に資するため公益大は派遣した。
一行は今月1日に日本をたち翌日にプラハ入り。同4日にOSCEプラハ事務所を訪問、「OSCEの生き字引」(玉井准教授)というアリス・ネムコバ次席大使から冷戦の歴史、安全保障に関する講義を受けた。同日はさらに嶋崎郁(しまざき・かおる)駐チェコ日本大使とも懇談。市内の観光地視察などで見聞を広め、同7日に帰国した。
報告会は公益大地域共創センター内で行われた。学生、教職員が聴講し、6人が交代でスライドを使って充実した日々を紹介。「OSCEの活動はなかなか日本では知られていない。広く知ってもらうための努力をしていきたい」「街の景観を守るために多少不便でも守っていくというプラハの姿勢を見習うべき」「実際に活躍している人の話は重みがあった」「国際的に良い関係を維持していくことの難しさを知った」などと述べた。
玉井准教授は「最前線で活躍する人の話を聴くことで、国際政治について理解を深めてもらえたら」と話した。
2019年(令和1年) 9月25日(水)付紙面より
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しな織の里・鶴岡市関川に隣接する木野俣の福栄保育園(五十嵐美智園長)で20日、シナノキの花を使用したせっけん作り体験が行われた。6月下旬にシナノキの花を摘み、乾燥などの作業を手伝った園児たちは、花を手に取り香りや感触を確かめていた。
地元の地域資源と伝統文化を幼少期の貴重な体験として経験してもらおうと、関川に関わる若者でつくる企業組合法人「羽越のデザイン企業組合」(冨樫繁朋代表理事)が企画した。
園児たちは昨年秋に関川のしな織センターを訪れ、今年4月にはシナノキの栽培地を見学するなど、事前学習を行ってきた。この日は園児12人と園長らが参加。乾燥させたシナノキの花を手でほぐし、熱湯を注ぎ搾り出した淡黄色の液をせっけんの素地と練り合わせ、手で形を整えていく行程をグループに分かれて行った。園児は「上手になーれ」とおまじないをかけながら練り合わせ、ハートやアヒル、串に刺した団子など、思い思いの形にしていった。
冨樫代表理事は「作ってそれで終わりではなく、園児たちがせっけんを家庭に持ち帰り、どんなことをしてきたのか、関川のことを話すきっかけにつながれば」と話した。関川では2016年に自治会や住民、市などと連携して「しなの花活用プロジェクト研究会」を組織。乾燥させたシナノキの花から蒸留して得た抽出成分を基に抗酸化成分を豊富に含むせっけんと化粧水を開発し、同組合が販売を担っている。