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2019年(令和1年) 9月28日(土)付紙面より

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「刀剣乱舞」とコラボ企画 若い女性中心ににぎわう

 鶴岡市の致道博物館(酒井忠久館長)で26日、「出羽国庄内藩主 酒井家名宝」展が始まった。酒井家に伝わる国宝の太刀や重要文化財の書、甲冑(かっちゅう)など約60点を展示。刀を擬人化したオンラインゲーム「刀剣乱舞(とうけんらんぶ)―ONLINE―」とのコラボレーション企画も行われ、若い女性を中心に初日は200人を超える来場者でにぎわった。

 徳川四天王筆頭・酒井忠次が徳川家康から武功の証しとして拝領した「太刀 銘 信房作」や刀剣を収める拵(こしらえ)「金梨子地葵紋散糸巻太刀拵(きんなしじあおいもんちらしいとまきたちこしらえ)」をはじめとする、同館所蔵の国宝を4点展示。同じく同館所蔵の重要文化財「短刀 銘 吉光(名物信濃藤四郎)」は「刀剣乱舞」で信濃藤四郎の名でキャラクター化されている短刀で、劣化が少なくうぶな状態に近いとされ名刀の呼び声が高い。この拵「黒漆塗合口拵(くろうるしぬりあいぐちこしらえ)」が長年行方不明の末に昨年発見、初公開で注目を浴びている。

 庄内藩初代藩主・忠勝が「一字千金」で買い取った逸話が残る重要文化財の書「禅院額字 潮音堂(ぜんいんがくじちょうおんどう)」ほか、酒井家が譲り渡した黒川能上座・下座所蔵の能面などの展示品も並ぶ。初日を迎え、同館の菅原義勝学芸員は「地元の人にも酒井家や庄内藩の誇れる歴史を見直すきっかけとして、見に来てもらいたい」と話す。

 同館では刀剣乱舞のコラボレーションとして、キャラクターパネル展示や来場者へオリジナルカードのプレゼント、お菓子やクリアファイルといったオリジナルグッズの販売もしている。

 展示会期中は、▽酒井忠久館長講話(29日午後2時から)▽記念講演会「松平家忠日記」にみる酒井忠次(10月5日午後2時から)▽「刀剣乱舞―ONLINE―」コラボ記念イベント(10月13、14の両日)―もある。講話、記念講演会は事前申し込みが必要。問い合わせは同館=電0235(22)1199=へ。展示は11月4日まで。

ずらりと並ぶ重要文化財に見入る来場者
ずらりと並ぶ重要文化財に見入る来場者


2019年(令和1年) 9月28日(土)付紙面より

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シートベルトの産卵床設置 車廃材を工夫し再利用

 県内の環境関連NPO法人などで組織する市民団体ドリームやまがた里山プロジェクト(小谷卓代表理事)は、海藻の代わりに廃材シートベルトで産卵床を作り26日、酒田市宮海の酒田北港に設置した。磯焼けといった海洋環境の改善や自動車廃棄物の減少などにつなげる狙い。来年3月末まで設置し、付着物を調べる予定。

 同団体は2015年、庄内のNPOを中心に設立。本年度の日本財団「海と日本プロジェクト」の助成を受け、自動車のリサイクルなど資源循環型社会を目指す取り組みの一環として、今回初めて産卵床設置に取り組む。ノウハウや実務は、ハタハタ増殖研究で人工産卵床の設置を2005年から続けてきた同団体メンバー「みなと研究会」(守屋元志代表理事)から協力を得た。

 今回は、約2メートルのシートベルト100本分と、廃材のアルミホイール約200キロをインゴットに加工して重しとして再利用。より海藻を再現しようと、シートベルトにねじりを加えた上で絡ませるなど工夫。関係者5人が作業し、ハタハタ釣りでにぎわう酒田北港内の西護岸沿い水深約4メートルに沈めていった。

 守屋代表理事によるとシートベルトを使った産卵床は4年目で、これまでに海藻のアカモクなどが付着しているのを確認、海洋環境の改善が期待されるという。

 小谷代表理事は「磯焼けが全国的な問題になっている中で藻場の再生につながれば、山形発の事業として他地域にも広められる」と期待を込めた。

シートベルトやアルミホイールなど自動車の廃材を加工した産卵床を沈める関係者
シートベルトやアルミホイールなど自動車の廃材を加工した産卵床を沈める関係者



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