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2019年(令和1年) 10月26日(土)付紙面より

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鶴岡の未来見据え 歴史まちづくりシンポジウム

 鶴岡市の「歴史まちづくりシンポジウム―城下町鶴岡の未来を見据えて」が23日、同市の鶴岡まちなかキネマで開かれた。元東北芸術工科大学長で鶴岡の中心市街地のまちづくりに関わった小沢明さんが、歴史的風致と現代的まちづくりの融合をテーマに講演し、歴史文化の継承と時代の先端性が一体となって息づき、学術(アカデミア)と芸術(アート)を併せ持つ鶴岡の「文化都心」形成について語った。

 東北芸工大名誉教授の小沢さんは、建築設計デザイン分野で数々の賞を受賞。鶴岡アートフォーラムの設計も手掛けている。シンポジウムには建築やまちづくり関係者、市民ら約100人が参加した。

 同市の鶴岡公園周辺について、歴史的な城址公園などと、現代の慶應義塾大先端生命科学研究所、東北公益文科大大学院によるタウンキャンパス、藤沢周平記念館、荘銀タクト鶴岡(市文化会館)などの施設が、近世・近代・現代と2世紀以上の時空を超えて調和を保ち、一帯が独自のかいわいをつくっているとし、「歴史の不連続的連続性」の特徴があるとした。

 さらに既存の環境の一部を取り除くなどして元の状態に戻す「間戻(かんれい)」によって「余白」が生まれ、環境の質が高まっていることを特徴として挙げた。

 小沢さんは「今世紀は、都市の質(クオリティー)を何に求めていくかが問われ、学術文化や芸術文化がその主役となって変革の役割を果たす時代」と指摘。心の豊かさを深める知的活動としての芸術文化活動によって地域内外の交流人口が拡充し市街地全体の活性化を引き起こすとし、文化による都心づくりの「文化都心」を提唱。発信力を備えることで荘銀タクト鶴岡がその核となり得るとし、米国のボストン、ニューヨークの事例を紹介した上で、「文化都心のまちづくりは、鶴岡が全国で最もふさわしい都市だ」と強調した。

 「鶴岡の歴史まちづくりの将来展望」をテーマにしたパネルディスカッションもあり、鶴岡のまちづくりに携わる佐藤滋早稲田大研究院教授をコーディネーター、小沢さんをアドバイザーに、高谷時彦東北公益文科大特任教授、高瀬雅弘弘前大教育学部教授、県建築士会鶴岡田川支部の秋野公子副支部長が意見交換した。

鶴岡市の中心市街地の「文化都心」のまちづくりについて語った小沢さん
鶴岡市の中心市街地の「文化都心」のまちづくりについて語った小沢さん


2019年(令和1年) 10月26日(土)付紙面より

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人が入って遊べる西通川に

 淡水魚に造詣が深く、長年にわたり遊佐町の小中高校で外部講師を務め、先月15日に急逝した故鈴木康之さん=享年(66)=の遺志を受け継いでいこうと、同町の藤崎小学校(村上秀夫校長)の6年生23人が24日、総合学習の一環として学校近くを流れる西通川の清掃活動を繰り広げた。胴長を着けた児童たちは汚れるのも気にせず、次々とごみを拾い集めていた。

 鈴木さんは酒田市内でラーメン店「味好駅東店」を経営する傍ら、町内の小中高校が展開する、特に月光川水系をフィールドとした総合学習の際に外部講師を務め、児童・生徒たちに水や生き物に触れる楽しさを紹介してきた。

 藤崎小では、前身の一つ、旧西遊佐小時代から20年近くにわたって西通川をテーマにした総合学習を繰り広げ、鈴木さんは年5回ほど来校。講義を行ったり、一緒に川に入って淡水魚を捕まえるなどの活動を展開してきた。これらが評価されて鈴木さんと西遊佐小は2012年、県制定「環境やまがた大賞」を共同で受賞した。藤崎小によると、鈴木さんは本年度、2回来校し同川でフィールドワークを展開。講義をする予定もあったという。

 この日は秋晴れとなる中、胴長姿の児童たちは月光川と日向川を結ぶための造成された西通川へ。空き缶や空き容器などとともに、土砂が堆積してなかなか取れないビニールシートや堆肥袋などもあり、協力して集めていた。

 児童の1人、石山絢士君(12)は「5月に鈴木さんと一緒に川に入り、西通川に生息する生き物のことを詳しく教えてもらった」と振り返り、「人が入って遊ぶことができる、さまざまな種類の魚が生息する西通川にしたい」と話した。

鈴木さんの遺志を継ぎ清掃活動を展開する児童たち
鈴木さんの遺志を継ぎ清掃活動を展開する児童たち



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