2022年(令和4年) 9月27日(火)付紙面より
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全国の離島地域が抱える各種課題の解決に向け、情報通信技術といった新技術の実装を図る国土交通省の補助事業「スマートアイランド推進実証調査」の一環として、「飛島スマートアイランド推進協議会」(代表団体・NTT東日本山形支店)は、23日から5日間の日程で小型ヨットを改装した自律航行する「帆船型ドローン」を用いた実証調査を酒田市飛島で展開。初日の航行実験を皮切りに、島内での活用法確立に向けた各種実験に取り組み、実装の可能性を探っている。
新技術の導入により、離島地域が抱える物流や交通、エネルギー、医療・介護などの課題を解決するため、離島を有する地方公共団体と技術を有する民間企業・団体が共同で現地実装に必要な調査を行ってもらおうと、同省は2020年度、同事業を開始した。
県内唯一の有人離島・同市飛島の人口は約180人。島外からの物流は通常期で1日1往復運航の定期旅客船に委ねられており、天候に大きく左右される。特に冬場は欠航が相次ぎ、島内への物流が限定されることから島民らの衣食住への満足度の向上、物資枯渇への不安解消、物資運搬手段の拡充・省力化が大きな地域課題となっている。
これら地域課題の解決に向け、同支店(渡会俊輔支店長)と市、とびしま未来協議会、NTTデータ経営研究所、帆船型ドローンの開発・製造・販売を手掛けるエバーブルーテクノロジーズ(東京都、野間恒毅代表取締役CEO)が今年6月、コンソーシアム「飛島スマートアイランド推進協議会」を設立。今回の実証実験は、定期旅客船を補完し新たな海上物資輸送手段として「帆船型ドローン」の実用性を検証することが主目的。
一人乗り用ヨットを同社が改装した帆船型ドローン(全長2・3メートル、全幅1・25メートル、全高=マスト高=4・2メートル)は、スマートフォンにインストールした専用アプリに航路を入力すると、自動で風を捉えながら自律航行する。時速は平均4キロほど。船舶免許は必要なく、最大積載量は120キロ。
初日の23日は午前5時頃から、野間CEO、平川博久NTT東日本山形支店庄内営業所長らが出て酒田港プレジャーボートスポット(PBS)で運航準備に取り掛かり同7時半、伴走船とともに出航。この日は風が弱かったため、途中から伴走船がえい航したが、約2時間にわたって洋上約6キロ区間を自律航行した。
野間CEOによると、港や湾を出た外洋での自律航行は初めて。野間CEOは「離島が抱える地域問題の解決に向けて今回、参加した。飛島は、特に冬場に定期船の欠航が多く、まずは無人での荷物運搬に関するデータを広く収集したい」と話した。飛島到着後は海洋漂着ごみの運搬や、藻場確認、密漁監視など海洋資源調査に関する実験も繰り広げた。今回の実証調査について後日、報告会を開催して得た知見や成果を披露するという。
2022年(令和4年) 9月27日(火)付紙面より
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環境問題について考え、行動するきっかけづくりにしてもらうイベント、鶴岡市の第24回「環境フェアつるおか2022」が25日、市小真木原総合体育館と体育館前広場で開かれ、家族連れなど大勢の市民が訪れ、体験や工作などを通じて身近なところで環境への理解を深めた。
市内をはじめ54の個人や企業が出展した。一般廃棄物や瓦のリサイクル、リサイクル施設で圧縮した資源を並べて再生利用されるまでの流れを紹介した展示コーナー、電動バイクと自転車の機能を併せ持った「ハイブリッドバイク」の体験乗車コーナー、海洋漂着物の現状や下水道処理資源を活用したコンポスト、水耕栽培、アユ養殖の取り組み紹介など多様なコーナーが設けられた。
子どもたちには使わなくなったおもちゃ、本などを持参して他のおもちゃなどと交換する「かえっこバザール」、ごみの名前が書かれた紙の魚を釣り上げ、正しく分別するゲームなどが人気だった。
両親と訪れた朝暘一小2年の遠藤星音(しおん)さん(8)、1年の陽音(ひなと)君(6)の姉弟は、パズルや子ども向けの占い本を持参してかえっこバザールに参加。「選ぶのが楽しかった。交換したおもちゃも大切に使いたい」と話していた。
環境フェアは、環境つるおか推進協議会(会長・小谷卓鶴岡高専名誉教授)が主催し、鶴岡市と県地球温暖化防止活動推進センターが共催。コロナ禍の影響で3年ぶりの会場開催となり、今回は「みんなで進めよう!SDGs未来都市『ゼロカーボンシティつるおか』」をテーマに開催した。