2022年(令和4年) 9月30日(金)付紙面より
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庄内地域をメインロケ地として製作された映画「アイ・アムまきもと」(水田伸生監督)の「山形凱旋試写会」が28日、酒田市の希望ホールで行われた。試写会に先立ち主演を務めた阿部サダヲさん、満島ひかりさん、水田監督が舞台あいさつに臨み、今回の作品に込めた思い、庄内地域の印象などを語った。
映画は、阿部さん演じる、人知れず亡くなった人を埋葬する市役所の「おみおくり係」の牧本壮を主人公にした作品。庄内地域を中心に撮影が行われ、米国アカデミー賞外国語映画賞など受賞した「おくりびと」を手掛けたセディックインターナショナルが製作を担った。阿部さん、満島さんの他、宮沢りえさん、國村隼さん、宇崎竜童さんらが出演している。
県内ロケは昨年5―6月、鶴岡市の鶴岡公園や市温海庁舎、JAライスセンター、酒田市の本庁舎、眺海の森、JR酒田駅、庄内町火葬場などで行われ、地元エキストラも多く出演。舞台設定も山形を想起させる架空の街「庄内市」ということもあり、30日(金)の劇場公開を前に「山形凱旋」と銘打った試写会が行われた。
舞台あいさつで、本県の印象を問われた阿部さんは「人が温かいし、食事がおいしい。凱旋することができて本当にうれしい」と述べ、見どころに関して「見たことがある場所ばかりが出てくると思うので、そこに注目して」と続けた。満島さんは「ロケはちょうど新緑の頃。水田に朝日や夕日が照らされる景色、鳥海山が印象的だった」と。庄内地域をロケ地とした理由に関して水田監督は「この地は生命力にあふれている。『人の連鎖』という今回の映画のテーマを庄内の景色の中で表現したかった。こんなに美しい土地はなかなかない」と述べた。
引き続き行われた試写会ではロケが行われた庄内の3市町の約900人を無料招待、ひと足早く作品を堪能した。
2022年(令和4年) 9月30日(金)付紙面より
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「私たちの住んでいる街の魅力を再発見」をテーマに、酒田光陵高校ビジネス流通科3年生33人が酒田市のプレステージ・インターナショナル山形BPOガーデンの協力で取り組んだ職場体験と授業を組み合わせた教育プログラム「デュアルシステム」の成果報告会が28日、同社内で行われ、若い感性で築き上げたアイデアあふれる観光マップを生徒たちが次々と発表した。
同社は、社会人としての基本ビジネススキルとコミュニケーション能力を身に付けてもらうとともに、地元企業で働く楽しさ・やりがいを知ってもらい、若者の県外流出に歯止めをかけようと、光陵高とパートナー協定を結び2018年から同プログラムを繰り広げている。
本年度は5月の大型連休明けに開講、夏休みを挟み今回の報告会まで計12回、生徒たちは6、7人ずつ5チームに分かれ、同社社員による座学・フィールドワークを通し、高齢者、親子連れ、外国人などターゲットを絞った観光マップを作成し、そのマップを基にしたモニター同行の観光案内、その後のマーケティング調査を実践した。
報告会では藤田雅彦校長、市職員、同社社員らが見守る中、チーム別にそれぞれ報告。「酒田の都―2000円でお祭り気分」と題して発表したチームは、食べ歩きを通し、主として観光客から酒田のにぎわいを感じてもらうもの。今年8月24日に行われた観光案内実践では持ち歩きピザやたい焼き、ジェラートを手に中心市街地を散策、調査結果を踏まえて「クオリティーの高い観光マップと目的設定で、モニターからは『祭り気分』を味わってもらうことができた」と発表した。
訪日外国人に対しJR酒田駅前を紹介する「俺の庭―My garden」のテーマで発表したチームは、清亀園と本間美術館の庭園、酒田観光交流拠点施設「ミライニ」、老舗菓子店などを巡りながら、一帯に立つ「旧町名保存標柱」を探すもの。「調査では『探検している気分になった』という感想が聞かれた。紙媒体だけでなく、インターネットにアップし一人でも多くの人から興味を持ってもらえたら」と述べた。
生徒の一人、田代俊也さん(17)は「チームを組んで学ぶことの大切さについて理解を深めることができた。観光マップは時間をかけて作ったので、ぜひさまざまな箇所に置いてほしい」と話した。