2022年(令和4年) 10月19日(水)付紙面より
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江戸―明治期に遠隔地交易の主役だった北前船の寄港地関係者らが交流を深める「第31回北前船寄港地フォーラムinパリ」が17日午前(現地時間、日本時間・同日夕)、フランス・パリで開幕。初日はセーヌ川に浮かぶ船内で開会式が行われ、丸山至酒田市長はじめ約270人が出席。アトラクションとして同市の観光PRを担う「さかた観光交流マイスター」の酒田舞娘(まいこ)が華やかな舞を披露し、パリジャン・パリジェンヌからも大きな拍手を受けた。
フォーラムは、酒田市美術館長を務める作家の石川好さんが提唱した「北前船コリドール構想」に基づき2007年11月、新田嘉一平田牧場グループ会長が中心になって酒田市で第1回を開きその後、規模を拡大しながら全国の寄港地などで随時開催。地域間交流の促進を図るため、このフォーラムを母体として17年にはJR東日本やANA総合研究所、平田牧場グループなどが「北前船交流拡大機構」を立ち上げた。翌18年5月には中国・大連でも開催した。
今年は河村瑞賢が日本海、瀬戸内海を経て大阪に至る西廻り航路を確立し350年の節目に当たり、北前船への注目が高まる中、日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間?北前船寄港地・船主集落」を構成する市町村の関係者らが渡仏した。
開会行事は、セーヌ川沿いの街並みを楽しむ遊覧船「バトームーシュ」内で行われ、同機構の浜田健一郎理事長、丸山市長のあいさつに続き、伊原純一駐フランス特命全権大使が歓迎の言葉を述べた。アトラクションとして酒田舞娘の千鶴さん、鈴華さんが、地方の小鈴姐さんが奏でる三味線の演奏に合わせ「もみじの橋」「酒田甚句」の2番で華やかな舞を披露、船内の参加者から大きな拍手を受けた。
開会式終了後、丸山市長は「酒田で始まったフォーラムがフランス・パリで開催された。素晴らしいことで、酒田から発信された文化が世界を羽ばたいているという印象。寄港地に関係する自治体の発展を願ってやまない」と話した。「日本の食文化を世界に」をテーマにしたフォーラムは18日午前(現地時間、日本時間・同日夕)、世界三大美術館の一つ、ルーブル美術館オーディトリウム(講堂)で行われ、「観光・文化」に関して酒田、鶴岡両市も自治体発表。
2022年(令和4年) 10月19日(水)付紙面より
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横浜市で先月25日に開催されたオールジャパンアームレスリング連盟(AJAF)主催「第20回オールジャパンアームレスリング選手権大会」で、酒田市亀ケ崎四丁目、保険代理業、土屋雄樹選手(35)が、全国各地から猛者が集まる最高峰「A―1」クラスで準優勝した。来月にも全国大会を控える土屋選手は「アームレスリングの魅力は、何と言ってもその強くなっていく過程の楽しさ。決勝で負けた相手に雪辱を果たしたい」と話している。
競技の魅力広く知ってほしい
土屋選手は2017年春、鶴岡市のアームレスリングチーム「魁掌道(かいなどぅ)」に入門。「以前から腕っぷしには自信があった。その年の冬、鶴岡市の日本海寒鱈まつりアームレスリング大会に出場したが、簡単に負けた。『強くなりたかったらおいで』という誘いを受け入門した」(土屋選手)という。本格的に取り組んで以降はチームでの練習はもちろん、自宅の一室をトレーニング室に改装して強化に励んでいる。
昨年に続いての出場となったAJAF大会は、レフト・ライトハンド80キロ級の2種目にエントリー。レフトハンドでは本戦を勝ち上がり決勝へ。敗者復活を勝ち上がった昨年の覇者・南雲大地選手(36)=東京都=と決勝で対戦し、おしくも敗戦。ライトハンドは5位に終わった。
「アームレスリングという競技があることを広く知ってもらいたい」という思いから土屋選手は13日、市役所を表敬訪問し丸山至市長と懇談。経過を報告した土屋選手に対し、丸山市長は「このような能力がある人が酒田にいることにびっくり。腕の強さだけでなく全身を使う競技と思う。本戦を勝ち上がったということは実力があるということ。これからも頑張ってほしい」と激励した。
来月13日(日)には日本アームレスリング連盟(JAWA)主催「第39回全日本アームレスリング選手権大会」が控えており、土屋選手は「AJAFの大会は満足いく結果ではなかった。経験がものをいう競技で自分の中ではこれからという思い。トレーニングを積んでさらに強くなりたい」と誓った。