2024年(令和6年) 8月31日(土)付紙面より
ツイート
7月25日からの記録的大雨に関して県庄内総合支庁は29日、依然として一部で断水が続く酒田市北青沢に堆積した土砂が推定で約1万5000立方メートルになると発表した。9月下旬までの土砂撤去完了を目指し、県は大雨で氾濫した荒瀬川の支流・小屋渕川、同市は市道と宅地内で作業を進めている。
同日に同支庁で開かれた支庁長記者懇談会で発表した。同支庁建設総務課によると、北青沢の小屋渕集落では小屋渕川上流部で土石流が発生し、集落に土砂が堆積。9日に行われた専門家による現地調査で「今後の雨に備えて最優先に同川の土砂撤去を行い、流路を確保すべき」との説明を受け、15日から流路確保のための作業を開始したという。同課によると、28日現在で既に約9400立方メートルの土砂を搬出しているという。
2024年(令和6年) 8月31日(土)付紙面より
ツイート
準絶滅危惧種に指定されている野鳥「カイツブリ」が鶴岡市西郷地区のため池にいるところを自然調査団体「フロラ山形」の会員が今月下旬にカメラに収めた。親鳥と6羽のヒナが水草をついばみながら「親子水入らず」のひとときを過ごしているという。
カイツブリはユーラシア、アフリカ、オセアニアの温帯地域に生息する。体長は25センチ前後。水辺の植物や昆虫などを食べる。直径50センチほどの巣を作り1回4~6個の卵を産む。雄と雌が交代で卵を温め20日間ほどでヒナがかえる。縄張り意識が強いことでも知られ、侵入をキャッチすると「キリッ、キリッ」と鋭い鳴き声を出して敵に突進する。池や沼地の埋め立てといった土地開発の影響を受け、全国的に生息数を減らしている。
西郷地区のため池では植物の植生を調べていたフロラ山形の会員が偶然、カイツブリの親子を見つけて撮影した。盛んに親鳥の後をヒナが付いて回り「とても愛らしい光景だった。野鳥に詳しい専門家によると庄内でも見かけることが少なくなったと聞く。元気に育ってほしいね」と話した。
2024年(令和6年) 8月31日(土)付紙面より
ツイート
三川町議会(志田徳久議長、定数10)の「中学生議会」が29日、三川町役場3階議場で行われた。三川中の3年生13人が参加し、より良い町づくりについて提言した。
議会の役割について理解してもらおうと毎年、町内の小学生と中学生を議場に招いて「模擬議会」を体験させている。
議員席に座った生徒は「音が出る信号機や点字ブロックを整えて障害者に優しい町づくりを」「各学習施設にWi―Fiを設置してほしい」「子育て支援を進め町の人口増につなげたい」とそれぞれ意見を発表した。
これについて担当議員は「Wi―Fiについては町の図書館にないので検討課題に挙げたい」「子育て環境を進める中で、あらためて町内にある身近な小学校の利活用の在り方を考える必要性があると感じた」と答弁した。
初めて議場に入った荘司優奈(ゆな)さん(3年)は「議員の皆さんがいつも三川のために考えている姿を間近に感じることができて良かった。まだ自分の将来については分かりませんが、生まれ育った三川町を大切にしたい」と感想を話した。
町野昌弘副議長は「今日は生徒の皆さんからとてもいいアイデアと提言を頂いた。条例という町の規則とお金(予算)の使い道を議決している議会の役割について学んでもらえればうれしい」と講評した。
2024年(令和6年) 8月31日(土)付紙面より
ツイート
防災・減災について学びを深める出前授業が29日、酒田市の東部中学校(宮嶋弘樹校長、生徒188人)で行われ、2年生52人が災害発生時の行動などについて考えた。
市では、大人向けの防災講話を毎年行っていたが、児童・生徒からも災害時の対応について学んでもらおうと市危機管理課が企画。東北大学災害科学国際研究所の協力で初めて実施した。
東北大学では、東日本大震災の経験と教訓を踏まえた「減災教育事業」に取り組んでおり、2014年度から「減災教育『結』プロジェクト」として、震災経験の継承と非常時の対応力向上を目的に、全国の小・中学校で出前授業を行っている。今回、県内で初めて同校を含めた同市内の小・中学校3校で実施した。
この日は同研究所のプロジェクト講師・保田真理さん(68)が同校を訪問。発災前から発災時、復旧、復興までの各時間軸上で自分や家族、行政、住民の行動と役割を考えるワークショップツール「Our Timeline」について説明し、「災害直後、時間経過による状況の変化をイメージしながら何が必要か、何ができるか考えてみて」と講話。生徒たちは5、6人の班に分かれ、「7月の日曜正午ごろに震度6の地震が発生。沿岸部で津波の恐れもあり」と想定し対応などを話し合った。
生徒たちは「地震の30分後ってどうしたらいいんだろう」「避難所にペットって連れて行けるのかな」「避難所が分かってないと行けないよね」など多くの意見を交わし、時間経過とともに変化していく具体的な行動をタイムラインに書き込んでいた。中には「災害後に元気づけることも大切だよね」といった精神的に寄り添った意見も。保田さんからのアドバイスを受けながら、災害時の行動指標となるタイムラインを完成させていた。
齋藤泰良(たいら)さん(14)は「これまで災害のニュースなどを見ると準備をしないとと思っていたが、何を準備したらいいのか分からなかった。自分だけでなく家族や地域のために何ができるか考える良い機会になった」と話した。