2024年(令和6年) 10月12日(土)付紙面より
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今年7月に発生した記録的大雨で甚大な被害を受けた酒田市大沢地区の支援に向け、地元・八幡小学校(金子尚校長、児童106人)の児童たちが11日までの3日間、倒木や電柱が流れ込んだ農地で稲刈りに精を出した。
農地に土砂や倒木が流入しコンバインで作業ができない米農家を手助けしようと、地元の復旧・復興活動のため八幡地域の若者らで発足した「酒田やわた未来会議」(仮称)と連携し全児童が活動した。
このうち10日は1、6年生計31人が参加。児童たちは大人のボランティアと一緒に、農地内に転がるがれきや電柱、電線を避けながら刈り取り、稲束の運搬、くい掛けなど懸命に作業に励んだ。
大沢地区に住む6年の石垣莉央さん(12)は「みんなが大沢地区のために来てくれたのがうれしい。流木やプラスチックがある場所は刈りづらかった。学校のみんなが来てくれたことで、復旧作業をしている大人たちの表情も明るくなった気がする」と。1年の三川葉菜夏さん(7)は「稲の束がばらけないように運ぶのが大変だったけど楽しかった。また手伝いに来たい」と話した。
この日児童たちが作業した農地は、持ち主である地元農家が手刈りする余裕がないからと、収穫を諦めていた場所だったという。同会議代表で、合同会社「COCOSATO」を同地区で運営する阿部彩人さんは「困ってる農家が多い中、地元の子どもたちが手を上げてくれたのがうれしい」と。刈った稲は出荷できないため、くい掛けでの天日干し後、同会議で脱穀する予定という。
2024年(令和6年) 10月12日(土)付紙面より
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全国地域安全運動が11日、全国一斉にスタートした。期間は20日までの10日間。鶴岡、酒田、庄内各警察署管内では出発式が行われ、防犯関係者が「青パト」に乗って犯罪防止の広報を繰り広げた。
ネットを利用して「闇バイト」を募り、全国各地で凶悪犯罪が多発している。都市部だけでなく地方でも発生しているのが特徴だ。
安全運動は防犯協会やボランティア団体、警察が団結を図り安心して暮らせる社会の実現を目指す。重点活動は▽子どもと女性の犯罪防止▽特殊詐欺、SNS型投資詐欺、ロマンス詐欺被害の防止▽自転車盗難、万引の被害防止▽性犯罪の防止と早期支援―の4点を掲げる。
初日のこの日、鶴岡市役所前では市防犯協会や鶴岡警察署員ら関係者合わせて約50人が参加して出発式を行った。市防犯協会の石川俊志会長が「犯罪のない社会に向け10日間、力を合わせて頑張りましょう」とあいさつ。鶴岡中央高校の天魄(てんぱく)太鼓の生徒24人が勇壮に和太鼓を打ち鳴らし、出発式を盛り上げた。この後、防犯協会のメンバーらが白バイとパトカーを先導に「青パト」に乗って管内の広報活動に出発した。
出発式では長年にわたり安全な地域社会に力を注いだ市防犯協会京田支部の阿部政志支部長(72)に全国防犯協会連合会の「全国防犯栄誉銅賞」が贈られた。
2024年(令和6年) 10月12日(土)付紙面より
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酒田市立第二中学校(佐藤元校長)が、県内の他の中学校に先駆けて取り組んでいる「アントレプレナーシップ教育」の発表会が9日、同校で開かれ、2年生106人が同市をPRするために考案したカプセルトイのアイデアを、市職員らにプレゼンテーションした。
アントレプレナーシップ教育は起業家精神や能力を育むもの。県が2025年からおおむね10カ年の教育行政の指針となる第7次県教育振興計画の骨子案に、探究学習の拡大やアントレプレナーシップ教育の展開などを掲げたことを受け、同校では生徒の起業・経済活動への興味・関心を高めチームワークやリーダーシップを養うことなどを目的に、県内で初めて総合学習に取り入れた。
生徒たちは9月に山形大アントレプレナーシップ教育研究センター長を務める小野寺忠司教授、カプセルトイを使って経済の仕組みを学ぶ探究教室などの事業活動を行っている「山のむこう」(南陽市)取締役の阿部公一さんから指導を受けながら、5―6人ずつのグループに分かれ、山居倉庫に設置する想定でカプセルトイ商品を考案したほか、利益を上げるための収支計算などに取り組んだ。
この日は同センター研究員、市職員、講師を務めた阿部さんらが同校を訪問。生徒たちは緊張しながらも「お米のキーホルダー」「庄内方言ポーチ」「酒田のラーメンぬいぐるみストラップ」といった計約20案のカプセルトイ商品のアピールポイントや概算した利益などをプレゼンテーションした。
中には酒田のおじさんをキモかわいいオリジナルキャラクターにした「『さかおじ』のソフトビニールキーホルダー」などユニークなアイデアも。講師たちは厳しめの質問を投げかけながらも、独創性あふれるアイデアに感心しながら興味深く聞いていた。
生徒の一人、池田華菜(はな)さん(14)は「アイデアの生み出しや、商品の満足度と利益のバランスを考えるのが難しかったが、酒田の良さとアイデアをどう組み合わせようか話し合うのが楽しかった。企画などを考える仕事に少し興味が出た」と話した。
2024年(令和6年) 10月12日(土)付紙面より
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53社で組織する鶴岡電気工事協同組合(理事長・後藤泰輔システムコントロール社長)の「出前授業」が10日、鶴岡市の羽黒高校で行われた。青年部会のメンバー14人が講師となり、機械システム学科と自動車システム学科の1年生合わせて42人に電気工事に使う技術を伝えた。
「出前授業」は電気工事への理解を深めてもらおうと青年部会(会長・長谷川直人アベ電工工務部課長)が例年、鶴岡工業高と羽黒高を訪問している。電柱工事に使う高所作業車体験では担当者と一緒にバケットに乗り、地上約13メートルで行う高所作業の「高さ」を体感した。電線管の曲げ加工では「ノーマルベンダー」という専用工具を使い、管を90度曲げる作業方法を学んだ。
自動車システム学科の熊谷春輝さん(1年)は「電気関係の技術を覚えることができて今日は楽しかった。今回の経験を将来に生かしたい」と感想を話した。
青年部会のメンバーは「いろんな業界で人手不足が深刻になっている中、電気工事を担う人材育成も兼ねている。出前授業を通じて少しでも電気工事関係に興味を持ってもらえればうれしい」と語った。