2024年(令和6年) 11月19日(火)付紙面より
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1874(明治7)年に開校した三川町の押切小学校(渡邉岳校長、児童122人)で16日、創立150周年記念式典が開かれた。押切小OBで元航空自衛隊ブルーインパルスの隊長を務めた遠渡祐樹さん(現・航空幕僚監部広報室広報班長)が「夢の実現に向かって」と題して記念講演した。
遠渡さんは1979年、三川町押切新田生まれ。大学卒業後、航空自衛隊に入隊した。戦闘機の操縦士として資格を取得し那覇基地や百里基地などの勤務を経て2019年、第4航空団第11飛行隊(通称・ブルーインパルス)に配属、隊長を務め庄内上空を含む国内各地の空で「展示飛行」を繰り広げた。現在は広報室班長としてテレビや雑誌の対応、記者会見の準備を担当している。
講演で遠渡さんは、戦闘機の能力を全て引き出すと三川町から東京まで約10分で到達することなどについて説明しながら、夢を実現させるためには「自分がなりたいことを見つけ、それをかなえるために努力すること。そして諦めないことが大切。メジャーリーグの大谷翔平選手は『自分に対して限界を決めたり、最初から無理と思ったことは一度もない』と言っているように成功者は常に自分の可能性と戦っている」と語った。
同校は「耕福学校」として開設した。1968年には三川町立押切小と改称。代表的な卒業生に科学の分野で功績を残した三川町名誉町民の加藤セチ博士がいる。
記念式典には全校児童や保護者、歴代校長ら来賓合わせて約250人が参加。式典の席上、渡邉校長が「押切小の歴史と伝統は地域の温かい支えで築かれてきた。これからも子どもたちの笑顔が絶えない学校であり続けることを願いたい」とあいさつした。全校児童がステージ前に整列し校歌を斉唱、150年の節目を祝った。
2024年(令和6年) 11月19日(火)付紙面より
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酒田市指定無形民俗文化財「庄内出羽人形芝居」を受け継ぐ人形遣い師、津盛柳貳郎(本名・斎藤均)さん(70)=同市広野=の襲名40周年を記念した特別公演が16日、同市の松山城址館で開かれ、秋田県鳥海村(現・由利本荘市)で明治初期に誕生した「猿倉人形芝居」(秋田県無形民俗文化財)と共演。集まった100人余の観客を魅了し合った。
庄内出羽人形芝居は、猿倉人形芝居の高度な技術を故・津盛柳太郎さんが習得、工夫・独特な芸風を取り入れて生まれた。柳太郎さんに師事した斎藤さんは1984年に柳貳郎を襲名し技を受け継いでおり、日本だけでなく海外でも公演し高い評価を受けている。2010年に市制定「庄内文化賞」を受賞。その2年後に市無形民俗文化財に指定された。
この日は猿倉人形芝居を継承する3団体のうち木内勇吉一座(秋田県由利本荘市)が出演し、ユーモアあふれる「三番叟(さんばそう)」で場を清めた後、ヒヒ退治で有名な「岩見重太郎」、女性と和尚のやりとりを描いた「鑑鉄坊さんの花傘踊り」の3番を上演。柳貳郎さんはおはこの「春日熊野丞たぬき退治」、オリジナルの音楽に合わせて若い娘と和尚さんが華やかに舞う「出羽人形ばやし傘踊り」を披露した。一番終わるごとに満席となった会場から大きな拍手が送られた。
城址館に隣接する松山文化伝承館では現在、資料や写真パネルを通して柳貳郎さんのこれまでの歩みを紹介する企画展「現在(いま)に生きる庄内出羽人形芝居―津盛柳貳郎襲名40周年記念展」が開かれている。会期は12月15日(日)まで。問い合わせは松山文化伝承館=電0234(62)2632=へ。
2024年(令和6年) 11月19日(火)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡工業高等専門学校(太田道也校長)主催「親子で楽しむ科学フェスタ2024」が16日、同校で開かれ、幼児から中学生の子どもと保護者が、さまざまな実験や工作体験を通して科学の不思議さやものづくりの楽しさに触れた。
体験型イベントとして毎年実施し、今年で25回目。子どもたちに大人気で、昨年より90人増やし定員630人(保護者を含む)で先月下旬に参加を募ったところ、開始から4日で定員に達した。庄内5市町から小学生を中心に185組の参加申し込みがあった。
毎年人気のロボットアームを操作してお菓子を取る体験をはじめ、手回し発電機で手作りのモーターを回して電気と磁力の力を知ったり、プラスチックに代わる天然素材として米ぬかを用いて電子レンジのマイクロ波加熱でフォークを作ったりするなど7種類の体験・実験コーナーが教室ごとに設けられ、教員や学生の説明と補助で楽しんだ。
子どもたちは目をきらきらさせ、「次の教室では何が起きるの」といったわくわく感いっぱい。異なる成分の液体でカラフルな「人工イクラ」を作る実験では化学の基礎に触れた。両親と妹2人の家族5人で参加した渡前小4年の杉崎瑠也君(10)は「実験や不思議に思えることが大好き。人工イクラは液体に入れた瞬間にきれいな色の丸い球ができ、びっくりした。理科が好きなので、鶴岡高専に入ってもっと勉強したい」と元気に話していた。
2024年(令和6年) 11月19日(火)付紙面より
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吉続舞踊学園(鶴岡市鳥居町、吉続正義園長)のモダンダンス公演鶴岡教室・酒田教室発表会が17日、鶴岡市の荘銀タクト鶴岡で開かれた。3歳児から大人までの研究生たちが、これまで重ねてきた練習成果をステージ上で披露した。
同学園は1928年に創設し、モダンダンスの道一筋に創造性と教育性を追求し活動を続けている。両教室の発表会は毎年この時期に開かれており、今回は両教室の研究生を中心に約30人が出演した。
ステージは前後半の2部構成。第1部は少年少女4人による「こころはればれ」で開幕。子どもたちがステージ全体を使った踊りを見せ、観客の喝采を浴びた。また、かわいらしい衣装をまとった女の子6人による「おひさまになりたい」では3歳児も登場。一生懸命踊る姿に観客席から大きな拍手が起こっていた。
この日は25演目が披露され、女性10人によるしっとりとした雰囲気のダンスなども観客の目を引いた。
2024年(令和6年) 11月19日(火)付紙面より
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荘内日報社主催「第65回鶴岡・酒田対抗棋戦」(日本将棋連盟鶴岡支部、同酒田荘内支部主管)が17日、鶴岡市勤労者会館で行われ、平均年齢14歳の若手で臨んだ鶴岡チームが2勝1敗の成績で3年連続の勝利を飾った。通算成績は鶴岡の29勝36敗。
庄内地方の将棋愛好者のレベル向上と交流を目的に、1959(昭和34)年から日本将棋連盟鶴岡支部(上野伸一支部長)と同酒田荘内支部(佐々木清支部長)との対抗棋戦として毎年11月に開催している伝統の大会。開会式では荘内日報社の橋本政之社長が「きょうは日本将棋連盟が制定した『将棋の日』。皆さんの熱戦を期待する」とあいさつした。
段級位別に先鋒戦、中堅戦、大将戦の3局に両支部から選抜された計6人が出場。持ち時間60分、使い切った場合は1手1分未満の規定で3局同時に行われ、熱戦を繰り広げた。
先鋒戦は、先手・佐竹秀二郎君(7)=鶴岡市文下、朝暘五小1年=と、後手・石川永翔君(8)=庄内町常万、余目二小2年=が対戦。四間飛車の佐竹君が終始ペースを握り、終盤の石川君の攻めをかわして押し切り、81手で勝った。
中堅戦は、先手・金内光弘三段(69)=遊佐町北目=と、後手・後藤琢人1級(16)=鶴岡市宝町、致道館高1年=の対局。金内さんの三間飛車に対して後藤さんが急戦を仕掛け序盤から中盤にかけて有利に進めたが、攻防に粘り強さを発揮した金内さんが相手のミスもあり形勢を逆転し、93手で勝利した。
大将戦は、先手・安在康平二段(18)=鶴岡市砂田町、鶴岡高専3年=と、後手・本間平八郎四段(69)=遊佐町直世=が対局。安在さんが石田流三間飛車、本間さんが居飛車穴熊の戦型を取り、形勢が二転三転して難解な局面が続く力戦となり、終盤に安在さんが打った攻防に効かせた一手が勝負手となり、113手で安在さんが大熱戦を制した。
表彰式では、橋本社長が優勝した鶴岡チームの3人に賞状と副賞、酒田チームの3人に副賞を手渡した。熱戦の様子は後日、本紙に棋譜とともに掲載する。