2024年(令和6年) 11月20日(水)付紙面より
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公共の社会教育施設などの在り方を検討するため酒田市が昨年設置した「公共施設適正化懇談会」での議論を踏まえ市は本年度、出羽遊心館(飯森山三丁目)を生涯学習の発表の場として広く市民から活用してもらう「出羽遊心館ステージ」を新設。初めての催しが17日に開かれ、同館ホールに響き渡る三味線の音色が市民らを魅了した。
茶室や能舞台など日本文化を象徴する機能を持った社会教育施設が市内に点在するものの、いずれも利用者数・稼働率が低い状況が続く。特にコロナ禍以降の落ち込みは顕著で、市は公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の適正化推進に向け、各施設の特徴・機能などを考慮した上で、どう利活用すべきか施設を利用する関係団体、若い世代などの意見を聞き検討していこうと昨年5月、懇談会を設置。出羽遊心館とともに、清亀園(浜田一丁目)、松山城址館(字新屋敷)について議論した。
茶室研究・数寄屋建築の巨匠として名をはせた故中村昌生さんが設計を手掛け、回遊式日本庭園も美しい出羽遊心館について、市民が取り組む生涯学習活動の発表の場として広く提供することで利活用者増を図ろうと、市教育委員会社会教育課が「出羽遊心館ステージ」を新たに設けた。
第1回は、市内の津軽三味線愛好者で組織する「津軽三味線 竹穂の会」=梅津志保(師範名・竹穂)代表=のメンバー14人が出演し、「斎太郎節」「真室川音頭」「外山節」―など東北地方を代表する民謡メドレーで幕開け。民謡を中心に「千本桜」「トルコ行進曲」といったクラシック、ポップスも披露し、ホールを埋め尽くした観客をその力強い音色で魅了した。
同課によると、「出羽遊心館ステージ」に関して既に2、3件の問い合わせがあるとし引き続き、出演団体を募集している。問い合わせなどは市教委社会教育課=電0234(24)2992=へ。
2024年(令和6年) 11月20日(水)付紙面より
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鶴岡市羽黒町押口のイタリアンレストラン「緑のイスキア」が、10月に福岡県で開催されたジャパンピッツァフェスティバルで「伝統的なピッツァフリッタ」の東北第1号店として認定された。ピッツァヨーロの称号を持つシェフの庄司建人(けんじ)さん(42)は「これからもナポリの食文化と庄内の四季折々の食を広く伝えていきたい」と話している。
これは、イタリアのナポリに本部を置く非営利団体「真のナポリピッツァ協会」が、ナポリに古くから伝わる職人の伝統技術を再評価し、ナポリピッツァの伝統が変わらずに継承されていくことを目的に、世界的に活動しているもので、厳正な審査基準をクリアしたピッツァ店を「真のナポリピッツァの店」の称号を与えている。現在、全世界で約1100店、うち日本国内では約90店を認定している。
緑のイスキアは、庄司さんが2006年にナポリのイスキア島で修業し、07年に前身の農場レストラン「穂波街道」をリニューアルしてオープン。08年に同協会の認定審査に世界で296番目に合格した。山形県内では唯一の認定店で、庄司さんは東北地区エリアリーダーとして活動している。
今回、認定されたピッツァフリッタとは、ナポリで日常的に親しまれている揚げピッツァのことで、リコッタチーズやハムなどにトマトソースと黒こしょうを加えた具を生地に包んで、高温の油で揚げた伝統的な料理。丸いピッツァの生地を半分に折り、揚げている時に中の具がはみ出さないように、縁をしっかりと接着させるのがポイント。同協会では今回初めてピッツァフリッタの認定審査を開催。10月18日に20人が参加して行われ、庄司さんは合格者12人のうちの1人に選ばれた。東北ではただ1人の認定者となった。
庄司さんの店では十数年前から、ピッツァフリッタを期間限定の定番料理やコース料理の1品として提供している。チーズはリコッタチーズのほかに燻製(くんせい)したモッツァレラのプロヴォラアフミカータ、ハムはナポリサラミと加熱ハムのプロシュートなどを使っている。見た目のインパクトがあり、揚げ物ながら後味も良いことから好評だという。
庄司さんは「カリカリもちもちで、日本人好みだと思う。写真映えもするし、皆さん楽しく味わっているようです。認定店として、これからもピッツァフリッタのおいしさを広めていきたい」と話している。
2024年(令和6年) 11月20日(水)付紙面より
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第7回全日本社会人O―40バスケットボール選手権大会に東北ブロック1位として出場する「ANT BBC」のメンバーが18日、鶴岡市櫛引庁舎の市教育委員会を表敬訪問し、布川敦教育長へ全国大会出場を報告した。
社会人バスケットボールチームの「ANT BBC」は、鶴岡、酒田の両市在住者や仙台大出身者などで昨年結成した。現在のメンバーは39歳以上の13人。中には国体での優勝経験者もいるという。昨年は結成したばかりだが東北1位で全国大会に初挑戦し、8強入りを果たした。ラン&ガン(速攻)を得意とし、3ポイントもしっかり決める。
今年は東北ブロック大会(青森県つがる市総合体育館)で初戦の2回戦は102―41、準決勝は80―40といずれも快勝。決勝は開催地・青森県1位の西北五シニアと対戦し、87―63のスコアで優勝した。
この日はメンバーの相馬直仁さん、佐藤祐介さんが櫛引庁舎を訪れ布川教育長と懇談。2人は「一般的な40代と比べてとにかく走るチーム。全国大会は元プロや身長が190センチ、200センチの選手もいるが、最低でも4強を目指す。やるからには優勝したい」と抱負を語った。
布川教育長は「スポーツを通して交流の輪を広げることが地域活性化につながる。優勝目指して頑張ってほしい。良い報告を待っている」と激励した。
全国大会は今月23―25日の日程で、富山県の西部体育センターなど3会場で行われる。
2024年(令和6年) 11月20日(水)付紙面より
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酒田市内の小・中学校全28校で現在、いずれも同市産を中心とした県産ブランド米「つや姫」「雪若丸」を給食で提供している。市米消費拡大推進協議会(会長・矢口明子酒田市長)が毎年この時期に実施しているもので、児童・生徒たちは本県が誇るブランド米のおいしさを実感している。
同協議会は市やJA、宿泊関係団体、米穀取扱業者などで組織。児童・生徒から同市産を中心とした米のおいしさを実感してもらい、米の消費拡大につなげようと市内全小中学校の米飯給食支援を毎年行っているほか、米粉パン給食の実施、イベントなどでの酒田産米のPRなどに取り組んでいる。
本年度は通常提供している「はえぬき」「ひとめぼれ」に代え、全28校で今月12―15日に「雪若丸」を提供した。18―22日は「つや姫」を提供している。
同市の富士見小学校(海藤陽子校長、児童307人)では18日、豚肉しょうが炒め、ポテトサラダ、みそ汁とともにつや姫が提供された。5年生の堀歩夢君(11)は「いつも食べるお米より甘みが強かった。他県のお米も食べたことがあるが、酒田のお米はおいしいと思う」と話していた。