2024年(令和6年) 11月21日(木)付紙面より
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強い西日、西よりの強風を避けるため1890年代に植栽され昨今、樹勢の衰えが指摘されている酒田市の国指定史跡・山居倉庫西側にそびえるケヤキ並木の保全に向けた作業が今月上旬から始まった。その重みが衰えの一因とされる石畳の撤去、土壌改良を施すなど3パターンで今後、1年半ほどかけ生育への影響を確認する。結果を踏まえて市は、他区間の作業方針を決定することにしている。
建物と並木の間に設置されている石畳は全長約170メートル。NHK朝の連続テレビ小説「おしん」の舞台となったことから観光客が増加し、利便性向上のため89年に設置された。山居倉庫の国史跡指定を受け2022年度にまとめた保存活用計画では、ケヤキの樹勢回復に関して生育障害の一因とされる石畳を撤去する方針を掲げ、当初は現在策定作業が行われている整備基本計画でその方法をまとめ、25年度以降に取り掛かる予定だった。
緊急性や広範囲に及ぶことを考慮し試験的に本年度から作業を開始することにし、まずは衰退が特に顕著な北側にある樹木を対象に▽石畳を撤去し、その下の土を攪拌(かくはん)▽土を攪拌した上で土壌改良を施す▽何もしない―の3パターンで樹勢への影響を確認する。一帯は来年春まで立ち入り禁止としその後、仮の通路を設置する予定という。
撤去作業に先立ち今月6日から枝を整えたり、高さを抑制する作業も実施。整備基本計画策定作業にも携わる樹木医の渡部佐界さん(77)=庄内園芸緑化会長=は「土が固くなり過ぎており、酸素が入っていかない状況。3つのパターンで効果を探っていきたい」、市文化政策課の川島崇史文化財主幹は「山居倉庫とケヤキ並木は酒田を代表する観光名所。国の宝・文化財として100年も、200年も守っていけるよう努力したい」と話した。
2024年(令和6年) 11月21日(木)付紙面より
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県は19日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に尽力したとして、前県医師会会長の中目千之氏(77)=鶴岡市本町二丁目=に県特別功労賞を贈った。贈呈式は県庁で行われ、吉村美栄子知事が中目氏へ表彰状などを手渡した。
中目氏は2018年から今年5月まで県医師会長を務め、円滑な医療提供体制の構築や医療的ケア児者の在宅医療体制の整備、医師の県内定着・確保など地域医療の推進に取り組んだ。新型コロナ対応としては、緊急事態宣言の発出や学校、企業に対する活動自粛要請などのほか、県民や事業者に対する意識啓発、ワクチン接種体制の構築など感染拡大防止対策に貢献した。
また、県と山形大医学部の連携や保健所の負担軽減に向けた協力医の確保・拡充、診療可能な医療機関の拡充に尽力。県独自の注意・警戒レベルの運用や「新しい生活様式」の定着などに助言・提言をし、感染対策と社会経済活動の両立にも貢献した。
表彰状を受け取った中目氏は「新しい感染症が発生しても、今回のコロナで構築した組織間の連携を中心にやっていけば乗り切れると思う。これからも社会貢献に尽力していきたい」と語った。コロナ禍の苦労を振り返りながら吉村知事は「当時は多くの知見を頂き、医師会をまとめてもらうなど大変お世話になった」と謝意を伝えた。
県特別功労賞は、幅広い分野で県勢全般の発展に多大な功労があった人を顕彰する。2004年度に創設され、庄内地域ではこれまで新田嘉一氏(平田牧場代表取締役会長)、冨田勝氏(前慶應義塾大先端生命科学研究所長)が受賞している。県全体では中目氏で6人目。
2024年(令和6年) 11月21日(木)付紙面より
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鶴岡警察署(京野匡署長)は19日、迷子になった女児を無事保護した鶴岡市大宝寺町、看護師、富樫香織さん(49)と長男で朝五小4年の樹暖(じゅのん)君(10)に感謝状を贈った。
富樫さん親子は今年9月22日昼過ぎ、鶴岡市錦町の路上で母親とはぐれた女児(3)を保護した。当時、樹暖君が「お母さん、助けなきゃ」と女児を見つけ、香織さんが鶴岡警察署に通報した。女児は母親と一緒にエスモールで買い物をしていたが母親が目を離した隙に離れ離れになったという。
この日、署長室で行われた贈呈式で感謝状を受けた樹暖君は「女の子のお母さんも心配だったと思う。安心させることができて良かった」と話した。
富樫さん親子はピアノコンクールを終え、食事を取るところだった。迷子の女児は道路の真ん中を歩き事故に遭わないか心配だったという。署員が駆け付けるまで安全な所に連れていって保護した。京野署長は富樫さん親子の心優しい適切な対応に感謝した。
2024年(令和6年) 11月21日(木)付紙面より
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全国規模のバレエコンクール「第10回YBCバレエコンクール東京」(9月21日、東京)で入賞した、鶴岡市のバレエ教室「レーヴ・バレエスタジオ」(眞田優さん主宰)で学ぶ女子中学生3人が18日、鶴岡市役所を訪れ、皆川治市長に成績を報告した。
YBC(横浜バレエコンクール)は横浜市を中心に都内を含め全国各地で開催。9月の大会で入賞したのは、プレコンクールB2部門(バレエシューズ着用)で審査員特別優秀賞(第1位)を受けた主濱(しゅはま)嘉乃(よしの)さん(15)=鶴岡一中3年、同A2部門(トーシューズ着用)優秀賞(第3位)の主濱杏祐花(あゆか)さん(12)=同1年=と矢野日詩(ひなた)さん(13)=羽黒中1年=の3人。嘉乃さんはコンクール中学3年部門で7位入賞も果たした。
眞田さんや保護者らと市役所を訪れた嘉乃さんは「基本基礎をしっかり学び、高校に行っても続けたい」、妹の杏祐花さんは「基礎を積み重ね、精神面も鍛えていきたい」、ピアノも習っている矢野さんは「両立に向けて効率の良い時間の使い方を身に付け活動していきたい」とそれぞれ今後への思いを語った。
皆川市長は祝福の言葉とともに「これからも研さんを積んで、さらに活躍することを期待している」と激励した。
2024年(令和6年) 11月21日(木)付紙面より
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国税庁の「税に関する高校生の作文」で、鶴岡地区税務関係団体協議会長賞を受賞した、鶴岡中央高3年の今井七未(ななみ)さんへの表彰伝達式が18日、同校で行われた。
今井さんは「犬税がもたらす世界」と題した作文を応募した。家庭でも2匹の犬を飼うなど犬好きの今井さんは、主に欧州の国々で飼育頭数に応じて飼い主が税金を納める「犬税」制度があり、殺処分の減少など犬の保護につながっていることを知った。日本についても調べ、1982(昭和57)年まで「犬税」が存在していたことが分かり、そのメリットやデメリット、税の存廃の背景などを考察し、犬税導入によって日本でも愛犬たちが安心して暮らせるような社会になってほしいとつづった。
同校校長室で行われた伝達式で、同協議会の上野雅史会長が賞状と記念品を手渡した。今井さんは「自分が好きな分野で興味を覚えた税について、思ったままにつづった。その作文が表彰を受けることになって、まさかと思い、驚いた」と話した。
鶴岡税務署管内ではこのほか、鶴岡税務署長賞に鶴岡東高1年、高橋愛翔(まなか)さんの「税があるから」、同校3年の阿部晶(あき)さんの「ふるさとに貢献する事」、鶴岡商工会議所会頭賞に庄内総合高2年、齋藤結花(ゆうか)さんの「生活の一部となっている税」がそれぞれ選ばれた。同署管内からの応募者約300人には、鶴岡法人会から参加賞が贈られる。