2024年12月4日 水曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2024年(令和6年) 11月23日(土)付紙面より

ツイート

県内経済への波及効果最大1779億円 遊佐町・酒田市沖洋上風力発電事業 就業者数1万2500人見込む

 遊佐町沖、酒田市沖で進む洋上風力発電の事業化に関して県は21日、調査から建設、保守管理、撤去まで約30年間の事業ライフサイクルなどで生じる県内経済への波及効果が最大で1779億円に上るとの試算を発表した。間接的な雇用を含めた就業者数は最大で約1万2500人が見込まれるという。

 再エネ海域利用法に基づく「促進区域」の指定を受ける遊佐町沖の想定海域は、鳥海国定公園区域を除いた上で沿岸漁業に配慮し海岸線から1カイリ(約1・8キロ)離れ、南北約8・3キロ、沖合約5キロに広がる。発電事業者選定作業が現在行われており、年内にも決定する。酒田市沖は、促進区域の前段階に当たる「有望な区域」の指定を受けており今後、国や県、市、漁業関係者らによる法定協議会が設置される。

 一方、国土交通省は今年4月、港湾法に基づく「海洋再生可能エネルギー発電等拠点港湾(基地港湾)」として同市の酒田港を指定。2027年度中の竣工(しゅんこう)を目指し今夏に着工した。

 県エネルギー政策推進課によると、洋上風力発電導入に向けた議論を進めるにあたり、地域住民や経済界の理解促進、合意形成に向けた基礎的資料にするとともに、県内のさまざまな分野に波及する可能性を広く周知するため、遊佐町沖は風車30基計450メガワット、酒田市沖は風車28基計504メガワットの総出力、運転期間20年と設定し、県内経済への波及効果を試算したという。

 同課が示した資料によると、地元企業による受注拡大を見込んで県内調達率を現状の10%から18%に引き上げた場合、波及効果は1779億円に上り、内訳は遊佐町沖が745億円、酒田市沖が832億円、基地港湾整備が202億円。就業者数は1万2474人を見込む。現状の場合、波及効果は1054億円で就業見込み者数は7383人。

 稼働後の県と両市町の税収は、地方交付税の減収分を差し引いても法人税と固定資産税で179億8000万円(県56億7000万円、酒田65億3000万円、遊佐57億8000万円)の増額が見込まれている。


2024年(令和6年) 11月23日(土)付紙面より

ツイート

心ひとつ支援の輪 酒田チャリティーコンサート盛況 大雨災害義援金を市へ

 今年7月に発生した記録的大雨の被災者支援に向けて開催されたイベント「心ひとつ酒田チャリティーコンサートin希望ホール」で、チケット収入や募金などから160万円余の寄付金が集まり、主催した実行委員会が20日、市役所を訪れ、義援金として酒田市に寄付した。

 チャリティーコンサートは支援の輪を広げようと、市内で歌謡教室を主宰する佐藤良子さん(61)=同市=を中心に実行委員会を組織し企画。今月10日のコンサート当日は庄内の地域住民はじめ県内外から1000人余の人が来場した。ポップス、演歌、声楽、楽器演奏などの音楽に加え、一輪車演技、黒森歌舞伎、演劇など多くの団体が多彩なパフォーマンスを披露しステージを盛り上げたほか、募金箱を設置したホワイエでは賛同した事業者が集まりマルシェを開催。イベントは大きなにぎわいを見せ、来場者らの募金、チケット売り上げ全額、マルシェ売り上げの一部計161万1777円の寄付金が集まった。

 この日の贈呈式には佐藤さんをはじめ実行委員3人がスタッフTシャツを着て出席。佐藤さんはイベントテーマにしていた「心ひとつ」と書かれた封筒を示し「イベントがきっかけで、自分のできることで被災地を応援できたという声を多くいただいた。これから冬時期を迎える被災地に、今一度心を寄せてもらえたら」と、矢口明子酒田市長に寄付金を手渡した。

 受け取った矢口市長は「多くの人がそれぞれのできる形で心を寄せてくれたことが何よりありがたい。皆さんの気持ちが詰まっていることを実感している」と謝辞を述べた。贈られた義援金は「令和6年7月山形県酒田市大雨災害義援金」に組み入れ、被災者支援に活用する。

矢口市長(右)に義援金を手渡す佐藤さん(右から2人目)
矢口市長(右)に義援金を手渡す佐藤さん(右から2人目)


2024年(令和6年) 11月23日(土)付紙面より

ツイート

JR酒田駅 地下道にアートギャラリー 中高生の絵画飾る

 酒田警察署(小川広治署長)管内の中学・高校の美術部員たちが制作した絵画が酒田市のJR酒田駅地下道の壁面を飾り20日夕、開所式が行われた。地下道が明るく華やいだ雰囲気となり、新しくなった絵を眺めながら行き来する歩行者の姿が見られた。

 2003年に同地下道で発生した恐喝未遂事件などを契機に、市と同署が翌年から駅周辺の環境浄化などを目的に「地下道アートギャラリー」と称して企画。酒田・遊佐両市町の中学・高校の美術部員たちの協力で、毎年この時期に絵画を更新している。

 21回目の今年は地域の魅力をテーマに取り入れて各校が作品を制作。地下通路の中央部左右の壁面にいずれも縦90センチ、横180センチの大きさの絵画計12点(中学8点、高校4点)を飾った。

 この日、酒田駅前交流拠点施設ミライニで行われた開所式には、絵画制作に当たった生徒たちをはじめ市、JR酒田駅、酒田地区少年補導員連絡会などから関係者が出席。小川署長が「今の安全な地下道は皆さんの絵をはじめ、地域の皆さんが作り上げた空間。犯罪抑止が広がり、より安心・安全な地域につながることを願う」とあいさつした。

 その後、出席者は地下道に移動し、代表生徒9人が地下道前でテープカットし開所を祝った。夕焼けに染まる日本海を見事なグラデーションで表現したもの、丸池様や縄文土器など遊佐町の古代ロマンを描いたものなど、酒田、遊佐の魅力を題材に選んだ作品が並び、地下道に明るい雰囲気を醸し出している。

 舞う桜の花びらの中に酒田の夕日や滝を描き、バックに雄大な鳥海山を配した「光輝く希望の酒田へ」を制作した東部中美術部の齋藤結(ゆう)副部長は「絵は美術部員約30人で描いた集大成。大きく飾られているのを見て感慨深く、地域の安心・安全のために使われることがうれしい」と話した。同署によると、来年秋まで飾るという。

酒田・遊佐の生徒たちが描いた作品が並ぶ地下道アートギャラリー
酒田・遊佐の生徒たちが描いた作品が並ぶ地下道アートギャラリー



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field