2013年(平成25年) 11月9日(土)付紙面より
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第33回県造形教育研究協議会田川大会が7日、鶴岡市の鶴岡アートフォーラムを主会場に開かれ、県内の美術教育に携わる幼保小中高の教諭らが参加。分科会やギャラリートークを通して、子どもの創造性を高める造形教育について考えを深めた。
県造形教育連盟(会長・鎌田一郎赤湯中校長)が県内4地区を巡回しながら開催。今回は、田川学校教育研究会造形部会(部会長・遠見良一鼠ケ関小校長)の主管で、地元関係者で実行委員会を組織。8日から始まる同部会主催の田川地区児童生徒図画作品展(10日まで)に合わせて開いた。
この日は県内一円から担当者約120人が参加。すでに展示を終えた図画作品展会場で開会行事が行われ、鎌田会長、実行委員長の遠見校長がそれぞれあいさつ。研究概要説明として、櫛引中の水原宏和教諭が田川地区の研究主題である「豊かな造形的活動をもとに、学びをつなげる造形教育」について実践した取り組みを発表した。
引き続きギャラリートークが行われ、前文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官で聖徳大の奥村高明教授が展示された絵画を見て回りながら子どもの絵の見方や指導方法を解説。教師の過度な指導は作品を見る側に伝わるとし、「絵から子どもの声が聞こえる」ことの大切さを説明。その上で、「絵の具と画用紙を与えるだけでなく、幾つかの表現方法を提示して選ばせるのも一つのやり方。それは正しい情報の中から必要な情報を選び出すという知力にもつながる」とした。
その後、幼稚園、小学校低・中学年、同高学年、中学校、高校(8日、鶴岡南高)の5分科会で実践発表を行い、造形教育の向上のヒントとした。
一方、8日から始まった田川地区児童生徒図画作品展には、幼稚園・保育園130点、小学校539点、中学校239点の計908点が出品された。例年通り賞などは付けずに、担任教諭による短評を付けて学年ごとに展示。大きな口でおにぎりを食べるなど大人の想像を超える園児の絵や、小学校中学年の児童による日常生活や読書感想画、中学生による自画像など、子どもの豊かな感性が伝わる作品が並んでいる。見学無料、10日まで。