2013年(平成25年) 11月26日(火)付紙面より
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鶴岡市山五十川の河内神社の秋祭典が23日、山五十川公民館で行われ、いずれも県指定無形民俗文化財の山戸能と山五十川歌舞伎が奉納上演された。歌舞伎では地元役者の名演に声援が飛んだ。
山戸能は平安時代に能楽が伝えられて始まったとされ、1964(昭和39)年に県の文化財指定を受けた。山五十川歌舞伎は300年ほど前の江戸中期に神楽に関連した村芝居の形で始まったとされ、86(同61)年に指定された。一つの地区に能と歌舞伎が伝承されているのは全国的にも珍しいとされ、現在は山五十川古典芸能保存会(本間澄男会長)が継承に努めている。
この日は昼すぎから山戸能の奉納が始まり、「座揃囃子」、稚児舞の「恋慕の舞」、儀式能「式三番」と続き、番能は「賀茂」。播磨の国の神職が、矢、母、子の三神を祭る賀茂神社のいわれを尋ねる物語で、天女の優雅な舞や、別雷神(わけいかずちのかみ)が雷鳴を模した拍子を踏みとどろかせるなど幽玄の世界を表現。
続いての山五十川歌舞伎は義経千本桜から「釣(つる)瓶(べ)鮨屋の場」。壇ノ浦で平家が滅亡した後、弥助と名を変えて「釣瓶鮨」に身を隠していた三位中将維盛を軸に、かくまっていた鮨屋の弥左エ門親子の人情物語。子役の山戸小児童の2人を交え、地区の役者たちが見事な芝居を披露。浄瑠璃と三味線が物語を盛り上げた。