2013年(平成25年) 12月1日(日)付紙面より
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11月21―23日に行われた東京ラーメンショー2013・ラーメン新人王グランプリで、鶴岡市温海地域のめん処久太で修業している鈴木和久さん(34)=同市櫛引地域出身=が、グランプリに輝いた。庄内産のカナガシラの焼き干しや鶴岡産シルクを練り込んだ自家製麺を使ったシンプルな「魚介和だし正油(しょうゆ)ラーメン」が、一流審査員に評価された。雑貨店の店長から転職した経歴を持つ鈴木さんは師匠である久太の野尻久店主(60)を「日本一の師匠にしたい」と応募。「それが実現できた」と野尻店主と共に喜んでいる。
東京ラーメンショーは、日本ラーメン協会などでつくる実行委員会が主催する都内最大級の野外イベント。例年40万人の人出がある。5回目となる今回は、駒沢オリンピック公園を会場に15―24日まで10日間(2部制)の日程で行われ、全国からご当地ラーメンや有名ラーメン店が集結した。
新人王グランプリは昨年から始まった関連イベントで、未来のラーメン職人の登竜門。書類選考を経て、事前に試食と面接が行われ、予選には鈴木さんを含め8人が出場。予選(21、22日)を勝ち抜いた4人が23日の決勝に進み、その場で調理したラーメンをラーメン協会理事長の千葉賢二さんや、副理事長で「一風堂」店主で知られる河原成美さんら審査員5人が審査。有名店の看板を背負った出場者が多い中、見事鈴木さんがグランプリに輝いた。
鈴木さんが作った「魚介和だし正油ラーメン」は、ダブルスープなど動物系と魚介を組み合わせたスープが主流となる中で、「魚介の可能性を追求したい」(鈴木さん)とあえて魚介のみでだしを取ったシンプルで繊細な一品。中でも最後まで食材を明かさなかったカナガシラの焼き干しは、地元漁協と鶴岡市が試作している段階で市場に出回っていないもの。肉食のカナガシラの性質から甲殻系の味も出るなど味に深みを加える決め手となり、シルク入り麺のこしとともに高い評価を得た。
10年間勤めた会社を辞め、半年かけて全国の400軒を食べ歩いたという鈴木さん。最終的に久太の味にほれ込み、開業から24年間弟子を取らなかった野尻店主に弟子入りを許され、今年1月から越沢地区の野尻店主の自宅に住み込みで働いている。野尻店主は「ラーメンに向かう姿勢が違う。きっとグランプリになると思っていた」と話し、鈴木さんも「グランプリと聞いたときはほっとして涙が止まらなかった。たくさんの方に応援してもらってここまできたので感謝を忘れず、ラーメンを作っていきたい。そしていつか自分の店を持てたら」と話していた。
久太では12月1日まで鈴木さんの新人王グランプリを記念して、全品100円引きのサービスを実施中。
2013年(平成25年) 12月1日(日)付紙面より
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鶴岡市田麦俣の湯殿山スキー場が30日、プレオープンした。県内外からスキーヤーやスノーボーダーが訪れ、真っ白なゲレンデにシュプールを描き、今シーズンの初滑りを楽しんだ。
同スキー場は、28日以降にまとまった降雪があり、12月7日のオープンを前に30―1日の週末限定で営業することにした。30日午前の積雪は30―40センチで、ゲレンデコンディションは良好という。11月中のプレオープンは2年ぶり。
30日は午前中から親子連れやグループ、カップルなど約150人が来場。駐車場には庄内、山形をはじめ、仙台、新潟、秋田ナンバーの車もあった。河北町から親子4人で訪れた樋口秀樹さん(43)は「インターネットで情報をチェックして来た。初滑りは蔵王か湯殿山か迷ったが、滑走距離の長い湯殿山を選んだ。雪が多く質も良く、板が傷つくことを心配せずに滑れて良かった」と話し、長男の弘樹君(8)は「とっても気持ちいい。10本以上は滑りたい」と楽しそうに話した。
同スキー場は12月7日に今シーズンの安全祈願祭とスキー場開きを行い、当日はリフトを無料開放する。