2013年(平成25年) 12月20日(金)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡高等養護学校(山下敦校長、生徒60人)の生徒たちが、同市温海地域産の「あつみ杉」を使った額縁を製作し19日、市に納品した。年明け後、市が100歳以上の長寿者に贈る賀詞などに使われる。
額縁は、地元産材の利用拡大を狙いに、市が初めて同校に発注した。同校の2、3年生10人による「木工班」が職業科目の一環で今年4月から「あつみ杉」を使い、角材を切ってかんなを掛け、磨き、ボンドとくぎで組み立てる作業に取り組んだ。
完成した額縁は、A3サイズの賞状などが入る縦約38センチ、横約51センチの大きさ。表面に透明な塗装を施しているが、色合いや風合いは木のぬくもりそのままの質感。作業の安全性を考慮し、表面はガラスでなく、アクリル板を使った。
この日は木工班を代表して、3年生の上林澪奈さん(17)、2年生の長尾美里さん(17)の2人が引率教諭と共に市役所を訪れ、今野和恵健康福祉部長に額縁を手渡し、100個を納品した。
今野部長は「とてもきれいに、立派にできた。高齢者の人たちに届けます」と感謝。上林さんは「隙間なく組み立てるところが大変だったが、受け取る人たちのことを考え、一つ一つ丁寧に作った」、長尾さんは「隠しくぎを木に当てないように打つのが難しかった。喜んでもらえるものを作ろうと頑張った」とそれぞれ話した。
温海地域は、年間降水量が1800―2000ミリと周囲に比べて多く、杉の生育に適しているとされる。ここで育てられた「あつみ杉」は年輪が密で、強さと美しさを兼ね備え、住宅の構造材や内装材、遊具、工芸品など幅広く活用されているという。