2025年3月5日 水曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2021年(令和3年) 12月15日(水)付紙面より

ツイート

(鶴岡まちキネ)話題作の撮影エピソード語る 「梅切らぬバカ」和島監督(酒田出身)トークショー

 鶴岡市の鶴岡まちなかキネマで上映中の映画『梅切らぬバカ』の監督で、酒田市出身の和島香太郎さん(38)を迎えたトークショーが11日、同館で行われた。地元鶴岡をはじめ、酒田市からも高校時代の同級生や知人らが訪れ、話題の作品を観賞した後に、撮影のエピソードなどに耳を傾けた。

 和島監督は1983年生まれ。テレビドラマの演出などを手掛け、2012年に短編『小さなユリと/第一章・夕方の三十分』がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭短編部門奨励賞受賞。14年、初監督作『禁忌』が劇場公開されるなど活躍している。『梅切らぬバカ』は加賀まりこさん演じる占い師の母と、塚地武雅さん演じる自閉症を抱える息子が社会の中で生き抜く様を温かく誠実に描いた作品。自身も自閉症の義理の息子を持つ加賀さんが、テレビのトーク番組で映画の素晴らしさを語ったことで話題となり、11月中旬の公開の際は3館のみでの上映だったが、現在は120を超える映画館で上映されている。

 トークショーは2回行われ、いずれも80席の客席が埋まって「完“梅”御礼」となった。山形市在住の映画コメンテーター、荒井幸博さんの進行で、製作のいきさつや監督を志したきっかけなどについて語った。

 軽度の認知症がある60代男性のドキュメンタリーを撮影していた時、近隣の住民とのトラブルなどがあると「モザイクをかけたり、フレームから押し出していた。双方の思いを描くには劇映画でなければ」と思い、脚本を2019年6月に書き上げた。荒井さんが「加賀さんにお願いするとは勇気あるキャスティングでしたね」と振ると、「辛口の占い師という役柄にぴったりだったので。義理の息子さんが自閉症だということは撮影の1週間ほど前に知り、不思議な縁を感じた」と答えた。また「加賀さんは自閉症の方を育ててきた人への尊敬の念も持っておられる。障がいのある方への社会の目が優しくなってほしいと引き受けてくださった」と話した。

 子どもの頃から地元の映画館でハリウッド映画を見て育った和島監督は、中学2年生の時に将来は映像に関わる仕事をしたいと思い始め、高校時代の文化祭で、自分で脚本を書き、クラスメートが出演する映画を製作。作品は不評だったが、みんなに見てもらえることがうれしかったと笑いを交えて語った。

 映画の評論にも定評のある荒井さんは「酒田、庄内、山形に風が吹いていると感じる。作品に力がなければ主演女優の宣伝だけでこれほど広まらない。賞レースも楽しみ」と絶賛していた。

 和島監督は13日には酒田市役所を表敬訪問。丸山至市長とも懇談した。

映画公開を記念したトークショーで語る和島香太郎監督
映画公開を記念したトークショーで語る和島香太郎監督

トークショーで対談する荒井幸博さん(左)と和島香太郎監督
トークショーで対談する荒井幸博さん(左)と和島香太郎監督



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field