2022年(令和4年) 4月9日(土)付紙面より
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鶴岡市羽黒町松ケ岡の湿地帯に自生しているミズバショウが見頃を迎えている。雪が多かった今年は、昨年より10日ほど遅く先月末に咲き始めたが、平年並みだという。
ミズバショウはサトイモ科の多年草。白い花のように見えるのが仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれるもので、葉が変形したもの。中心の黄色い円柱状の部分が小さな花の集合体。ミズバショウは旧羽黒町の「町の花」で、鶴岡市と合併してからは市の「推奨花」となっている。
松ケ岡の自生地には遊歩道が整備され、間近で花を見ることができる。ここ数年、花が小ぶりになっており、数年前に周囲のアシを刈り取ったことや水の流れが悪くなったことが原因ではないかといわれている。管理する認可地縁団体「松ケ岡開墾場」では、花が終わる来週から排水路の工事を行い、群生地として維持していきたいとしている。
2022年(令和4年) 4月9日(土)付紙面より
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郷土ゆかりの人物に関する資料を展示・紹介している鶴岡市の大寶館で、酒井家庄内入部400年を記念した企画展「酒井忠明(ただあきら)展?今もなほ殿と呼ばるることありて?」が開かれている。市民から「殿はん」と呼ばれて親しまれた旧庄内藩主酒井家第17代当主・忠明さん(1917―2004年)について、著書や自筆の書、写真などで、その人柄を伝えている。
忠明さんは、同市の致道博物館の名誉館長として地域文化の振興に努め、書や写真、和歌、刀剣など多彩な趣味を持ち優れた作品を残した。1999年には鶴岡市名誉市民に推戴された。
展示したのは、忠明さんの書や庄内の景色・風俗などを撮った写真、愛蔵した刀の押し形、竹の「庄内竿」など約70点。2003年の宮中歌会始に召人(めしうど)として招かれた際に詠んだ歌「今もなほ殿と呼ばるることありてこの城下町にわれ老いにけり」をしたためた自筆の書、鼠ケ関の砂浜で海水浴前に準備体操をする子どもたちの姿を捉えたモノクロの懐かしい写真もあり、郷土を愛し続けた忠明さんの思いに触れることができる。
企画展では明治以降の歴代藩主、13・15代の忠篤(ただずみ)公(1853―1915年)の書、14代の忠宝(ただみち)公(1856―1921年)が描いた江戸時代に流行した戯画の一種の「鳥羽絵」、16代の忠良(ただなが)氏(1888―1962年)の書なども展示している。
大寶館の担当者は「市民から『殿はん』と呼ばれて親しまれた忠明さんの愛蔵品を集めて展示した。郷土をこよなく愛した忠明さんを近くに感じ、懐かしんでもらえたら。展示品は季節ごとに少し変えていきたい」と話した。
企画展は来年3月28日まで。開館時間は午前9時から午後4時半。水曜休館。入場無料。問い合わせは大寶館=電0235(24)3266=へ。