2022年(令和4年) 4月17日(日)付紙面より
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鶴岡市が絹織物体験施設としてリニューアルを進めてきた国指定史跡・松ケ岡開墾場の4番蚕室「シルクミライ館」が16日にオープンするのを前に、オープニングセレモニーが15日行われた。
日本遺産「サムライゆかりのシルク」を構成する文化財として中核を担う同開墾場に、新たな魅力を創出するもの。絹産業の歴史や文化に触れ、楽しみながら学ぶことができる施設として、市が昨年度から整備を進めていた。
セレモニーには松ケ岡開墾場の酒井忠久総長と堀誠理事長、鶴岡「サムライゆかりのシルク」推進協議会、場内事業者や施工業者、愛称選定に協力した地元・広瀬小学校の6年生など約70人が参列。皆川治市長が「鶴岡市の近代化の礎となった絹産業の歴史、生産工程を伝える施設となり、未来に向かって歩み出した。本年は酒井家庄内入部400年の節目の年。引き続き、旧庄内藩の歴史を伝える産業遺産の保存、活用に向け、取り組んでいく」とあいさつ。堀理事長は祝辞で「旧庄内藩士が賊軍の汚名をそそぐため、産業を興して国家の模範たらんとの気概をもって絹産業を進めてきた。蚕室に新たな命を吹き込んでいただき、先人たちも喜んでいることだろう」と話した。その後、布川敦鶴岡市教育長、広瀬小児童代表の今野稀来理(きらり)さんも加わりテープカットし、施設内を見学した。
同小の山田凌雅君は「松ケ岡の開墾の話は家の人から何度か聞いて知っている。機織り機など珍しいものが見られてうれしい」、佐藤莉奈さんは「多くの人がこの施設を見ることで、新しい時代にもシルクの魅力がずっと伝わってほしい」と話していた。
シルクミライ館などが建ち並ぶ松ケ岡クラフトパーク周辺では16、17の両日、「松ケ岡春の桜マルシェ」を開催。ワークショップやフードマルシェなど多彩なイベントを行う。松ケ岡開墾場の桜並木は見頃を迎えている。
2022年(令和4年) 4月17日(日)付紙面より
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鶴岡市千安京田の「いこいの村森林公園」のチューリップ園が15日に開園した。旧いこいの村庄内跡地を再活用したもので、今年で開園3年目。ほとんどが葉に包まれた状態だが、関係者によると「来週ごろには開花し見頃となりそう」という。観覧期間は来月5日まで。
チューリップを植えたのは市民団体の庄内チューリップ倶楽部(梅本幸巳代表、会員20人)。客数の減少で2016年に閉鎖した旧いこいの村庄内のチューリップを保護しようと、翌17年に設立した。以来活動に賛同する地元農家の畑で球根を増やし、19年から市内の小学校などの協力でいこいの村森林公園に植えている。
今季は西郷小と湯野浜小、県庄内地区郵便局長会鶴岡第一部会(伊藤義徳部会長)と共に、4ヘクタールに「ホワイトスワン」や「ワールドファイヤー」など約150種を植えた。また、旧庄内藩の頃からの縁で昨年オランダ大使館から寄贈された球根を使い「オランダ友好花壇広場」を造った。木工を趣味としている庄内チューリップ倶楽部の酒井成哉さん(75)=鶴岡市=が作ったミニチュアのオランダ風車も飾られている。
この日、開園式が同園で行われ、市職員や庄内チューリップ倶楽部の会員ら約15人が出席。梅本会長が「コロナ禍で暗い世の中だが、皆さんが交流しながらチューリップを楽しめる憩いの場になれば」とあいさつし、球根4000球を同倶楽部に寄贈した郵便局長会鶴岡第一部会の伊藤部会長に感謝状を贈呈した。
23、24日には「チューリップまるしぇ」が開かれ、紙芝居や音楽パフォーマンス、クラフトショップの出店などを予定。最終日の来月5日午後1時からは、参加者で球根養生のための花茎摘みを行う。