2024年(令和6年) 6月18日(火)付紙面より
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環境省の特定外来生物に指定されている植物「オオカワヂシャ」が鶴岡市の内川で勢力を広げていることを受け、県庄内総合支庁と鶴岡市は13日、市内を流れる内川で植生状況を調査した。
調査には県庄内総合支庁の河川砂防課と環境課、鶴岡市環境課の職員合わせて6人が参加。山形県内の植生を調べている団体「フロラ山形」の会員の案内で「オオカワヂシャ」が分布しているポイントを見て回った。
職員は水辺まで下りて状況を確認。一部を根っこごと引き抜いて駆除し、ごみ袋に入れて回収した。今回の現地調査を踏まえ、今後の駆除活動などについて検討する。
オオカワヂシャはゴマノハグサ科。川の岸辺や水田、湿地に育つ。東北では夏に鮮やかな青紫色の花を咲かせる。多くの種子を持ち風に乗ったり、野鳥の体に付いて勢力を広げる。特に準絶滅危惧種に指定されている在来種「カワヂシャ」とオオカワヂシャが交雑し遺伝的かく乱が生じていることが問題視されている。
内川では水草を調べていたフロラ山形と鶴岡自然調査会の会員が見つけた。現在は櫛引地域から日枝地域にかけた内川約3キロ区間に分布している。内川に入り込んだ経緯や要因は分かっていない。
2024年(令和6年) 6月18日(火)付紙面より
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庄内地域の文芸愛好家でつくる「らくがき倶楽部」の創設者の一人で、長く同倶楽部の会長を務め、地域の文芸活動をけん引した故畠山弘氏(昨年10月29日、94歳で死去)を偲(しの)ぶ会と、同倶楽部創立60周年記念の会が16日、鶴岡市の新茶屋で開かれた。畠山氏の遺族や交流のあった人々が集い、語り合いながら人柄と功績をしのんだ。
畠山氏は、全国組織の現代俳句協会会員として活躍し、俳誌「爐」を創刊して長く出版を続け、自身の句集をはじめ各種伝説・民話を集大成した「庄内の伝説」「庄内の民話」など多くの著書があり、数多くの文芸評論を発表。1986(昭和61)年度、第29回高山樗牛賞を受賞。64年に「らくがき倶楽部」の立ち上げに関わり、庄内地域の文芸活動や出版文化の興隆・発展に尽くした。県現代俳句協会会長など歴任。荘内日報新春句歌歳時記の俳句選者を長年にわたって務めた。
「故畠山弘先生を偲ぶ会」には約40人が参列した。遺影と本人の色紙、著書などを置いた献花台が設けられ、黙とうの後、全員が献花。発起人を代表して佐々木秀子らくがき倶楽部会長が、畠山氏の功績を紹介し、「らくがき倶楽部の酒席では、会員がほどよく酔った様子を、いつもにこにこしながら見守っていた。倶楽部の運営、会員の創作活動、出版などさまざまな面で適切な助言をいただき、みんなを支えていただいた」とあいさつ。
交流のあった人々が思い出を語り、県俳人協会の伊藤寛会長らが畠山氏の創作活動や作品世界など「畠山ワールド」を紹介。倶楽部会員を含むグリーンギターアンサンブルの4人が追悼演奏を披露した。夫人のカツ子さんが畠山氏の来し方に触れ、「こういう人がおったなと思い出していただければ」と謝辞を述べた。
らくがき倶楽部創立60周年記念の会では、皆川治鶴岡市長、橋本政之荘内日報社社長、阿部等鶴岡書店組合長が祝辞を述べ、県俳人協会顧問の阿部月山子さんの発声で乾杯。倶楽部の歩みを振り返りながら、さらなる発展を誓い合った。席上、畠山氏の功績をたたえ、名前を冠した新たな賞を秋ごろに創設する方針が示された。
2024年(令和6年) 6月18日(火)付紙面より
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今春開校した致道館中学・高校音楽部の第1回定期演奏会が16日、鶴岡市の荘銀タクト鶴岡で開かれた。同中学の合唱部も加わった合同のステージで部員たちが新校歌を披露。満員となった会場に爽やかな歌声が響き渡った。
致道館高校音楽部(猪口愛華部長)は鶴岡南高音楽部と鶴岡北高音楽部を前身とし、致道館高の開校と同時に発足。同中学校合唱部(佐藤世奈部長)は本年度入学した1年生のみで構成する。普段はそれぞれ部活動を行っているが、今回の演奏会に合わせて合同練習を進めてきた。
新たなスタートとなる第1回定期演奏会のオープニングは、高校音楽部によるクラブソング「今ここに」で幕開け。続いて中学合唱部員がステージに登場し、高校生と合同で校歌の混声四部合唱を堂々と披露した。
オープニング後のステージは3部構成で、ステージ1は高校音楽部による本年度の全日本合唱コンクールで歌う課題曲と自由曲の「明日のノート」など3曲を高らかに歌った。ステージ2「アンサンブルの愉しみ」では3年生のみの合唱やパートごとの重唱など、ステージ3「生徒企画ステージ」はダンスやミュージカルと盛りだくさんの演出で会場を盛り上げた。
記念のステージを一目見ようと大勢の保護者やOB、OGなどが会場に足を運び、一曲終わるたびに大きな拍手を送っていた。
2024年(令和6年) 6月18日(火)付紙面より
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鶴岡市青龍寺の金峯神社(佐藤信弘宮司)で15日、例大祭が行われ、参列者たちが五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全、無病息災などを祈願した。直会(なおらい)では、例大祭の伝統となっている「ところてん」の振る舞いも行われた。
中の宮社殿で行われた神事には神社役員や総代、氏子、崇敬者ら約30人が参列。神社本庁からの使者となる献幣使(けんべいし)は、県神社庁長の宮野直生出羽三山神社名誉宮司が務めた。倭舞(やまとまい)の奉納では、地元・黄金小6年の五十嵐鼓笑(こえみ)さん(11)と久下実花子さん(11)の2人が、巫女(みこ)姿で神楽鈴を鳴らすなどして厳かな舞を披露した。
今春就任した佐藤宮司はあいさつで「金峯山の素晴らしさを日々実感している。雨が降った金峯も素晴らしく、雨上がりのもやがかかった景色はまるで墨で描いたかのようであり、神々しく見える」と話した。
直会は社務所で行われ、参列者たちは、社務所前にある湧水「閼伽井(あかい)の清水」で冷やされたところてんを味わった。こうした伝統から例大祭は「心天(ところてん)祭り」とも呼ばれている。由来は、神前に供えた海草(テングサ)のお下がりを頂いたとの説や、梅雨の時期に胃腸をきれいにして健康で過ごすためなど諸説あるという。