2024年(令和6年) 6月21日(金)付紙面より
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1000年以上も読み継がれ、世界初の小説として評価が高まっている『源氏物語』を読み解きながら、古典文学の面白さを再発見しようという勉強会「古典そぞろ歩き」が17日、鶴岡市のカフェ「EN/ME(エンメ)」で開かれた。
元高校教諭で民俗学や古典文学の講師などを務める春山進さんが、自宅を開放して開催している「源氏サロン」が15周年を迎えたことや、現在放送中の大河ドラマのヒロインが紫式部であることから企画。ドラマと史実の違いも含め、「その愛と死、栄華と罪」について語った。
春山さんの源氏サロンは年10回の開催。「全54帖あり、150回ほど行ってもまだ終わらない」と『源氏物語』の奥深さを語るとともに、素晴らしさについて「1帖の書き出しで、既に読者に4つの疑問と2つの推測を与えている。中宮との密通や生まれた子が帝になるなど、絶対に知られてはいけない秘密があり、超一流のミステリーとしての面白さもある。愛することで人を死に至らしめることもあり、栄華は同時に罪でもある」と話し、「価値の高い物語であり、ぜひ原文で味わって」と自身が愛用している解説書も紹介。また、「ドラマでの道長の行動はほぼ史実通り。まひろの現代的な感覚がぶつかることで、ストーリーを面白くしている」と語っていた。
参加者は25人ほどで女性が多く、女学生に戻った気分で受講していた。最後に春山さんの妻で声楽家のゆうさんが「花の色は」などの和歌を歌ったほか、参加者全員が「夏の思い出」などで声を合わせた。
勉強会は同じ内容で22日(土)にも行われる。会費は2000円。申し込みは春山さん=電0235(25)8262=へ。