2024年(令和6年) 7月12日(金)付紙面より
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給食を通して子どもの未来を考える「学校給食サミット」が10日、学校給食発祥の地、鶴岡市で開かれた。学校給食がランチで提供されたほか、食育や食文化継承の取り組みを東北・北海道の青年市長らがディスカッションした。
鶴岡市のユネスコ食文化創造都市認定10周年を記念して、鶴岡食文化創造都市推進協議会(会長・皆川治鶴岡市長)が主催。1889(明治22)年に同市の大督寺に開設された私立忠愛小学校で食事を提供したのが学校給食の始まりとされる。イベントでは、当時提供されたおにぎりやしょんびき(塩引きザケ)、煮びたしに笹巻が付いた「学校給食発祥の地メニュー」、リャンパンメン(涼拌麺)とコッペパン、ミニグラタン、牛乳の「鶴岡人気No.1メニュー」を500円で提供。多くの市民らが味わった。
発祥の地メニューを選んだ女性は「しょんびきが思ったよりしょっぱかった。内陸出身だが、子どもの頃に食べたものはもっとしょっぱかったのを懐かしく思い出した」、リャンパンメンを選んだ女性は「給食献立は、夕飯のメニューとかぶらないようによく見ている。孫たちが好きだと言うリャンパンメンはとてもおいしい」と笑顔で話した。
続いて開かれたサミットでは、鶴岡市学校給食センター栄養教諭の五十嵐裕佳さんが、春の孟宗汁や冬の寒ダラ汁など郷土料理を給食に取り入れていることなどを紹介。その後、50歳以下の青年首長でつくる全国青年市長会北海道・東北ブロックから皆川市長はじめ山形、上山、南陽、北海道・登別、青森・むつ、宮城・白石と多賀城、秋田・横手の各市長が登壇。食文化の継承、地産地消の取り組みなどについて発表した。
山田裕一白石市長は、文化庁の100年フード「白石温麺(うめん)」をPRする「白石うーめん体操」を踊り、「学校給食にも出され、カレー味が子どもたちに人気」と紹介。佐藤孝弘山形市長は、一昨年オープンした山形広域炊飯施設について「周辺8市町が連携し、主食を守ることができた。各市町産のコメを炊き分けることができ、子どもたちは地元産のご飯を食べている」と話した。アドバイザーの北林蒔子米沢栄養大教授は「それぞれの食の取り組みは、ふるさと自慢にもつながる。伝統の食は消してはいけない」と話していた。
2024年(令和6年) 7月12日(金)付紙面より
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鶴岡市は、旬を迎えた地元特産の庄内砂丘メロンを味わってもらおうと10日から、市内の全小中学校を対象にした「メロン給食」をスタートした。8分の1カットの大きさでデザートとして提供され、子どもたちは大喜びだ。
この日、朝暘五小(岡部貞二校長、児童371人)で行われたメロン給食には、生産者でJA鶴岡ネットメロン専門部長の本間卓さん(48)=同市千安京田=と同JAの担当者が訪れ、5年生のクラスでミツバチによる受粉などメロン栽培の方法や、おいしいメロンの見分け方、食べ頃の見定め方などを紹介し、「自分たちが住んでいる地域においしいメロンがあることを知って、家族にも伝えてたくさん食べてください」と呼び掛けた。この日のメニューはご飯とポークカレー、キャベツとハムのマリネ、牛乳、そして鶴岡産アンデスメロン。デザートとして最後に食べると話していた子どもたちは、「いただきます」の後、真っ先にメロンを頬張り笑顔いっぱいだった。5年生の板垣勇磨君(11)は「みずみずしくて甘くておいしい。毎日食べたい」と話した。
メロン給食は今月24日まで全小中学校で1―2回行われ、約1万食分としてアンデスメロンとJA鶴岡の鶴姫レッドメロン合わせて約1100玉が使用される。
2024年(令和6年) 7月12日(金)付紙面より
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少年の非行防止や健全育成に取り組む鶴岡地区少年補導員連絡会(佐藤重勝会長)が、長年にわたる活動が高く評価され、先月に本年度の少年補導功労団体として警察庁長官と全国少年警察ボランティア協会会長の連名の全国表彰を受けた。全国で10団体の一つに選ばれたもので、佐藤会長は「会員皆さんの活動が評価され、誇らしくうれしく思う」と話した。
県警本部長委嘱の少年補導員で構成する同連絡会は1968(昭和43)年に結成され、ボランティアで地域の祭事やイベント、商業施設に出向くなどして少年の非行防止活動や犯罪被害防止のための街頭での声掛けなどの活動、広報・啓発活動を、年間を通じて実施。鶴岡警察署を事務局に、現在は同署管内の鶴岡市と三川町の計57人が委嘱を受け、中学校区ごとに分けた各ブロックを中心に活動している。
長年にわたる主体的で活発な活動が認められ、2003年に県表彰、06年に東北地区表彰を受賞。全国表彰は6月13日に都内で行われ、連名の表彰状と記念の盾が贈られた。
報告会が10日、鶴岡警察署で行われ、佐藤会長と榎木正喜副会長が京野匡署長を訪問。賞状と盾を手に全国表彰受賞を報告した。懇談で佐藤会長は「子どもの健全育成には、われわれ大人の規範意識も大事になってくる。活動では、頭ごなしに注意するのではなく、子どもたちが被害者にも加害者にもならないよう会話と対話を心掛けている。これからもひと声掛けることを大切に、活動を続けたい」と語った。
京野署長は「全国で最高位の表彰であり、素晴らしいこと」とたたえ、「これからも地域の実情と少年補導員の皆さんの気持ちをくんで、一緒に手を携えながら少年の健全育成に向け活動していきたい」と述べた。