2024年(令和6年) 7月26日(金)付紙面より
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梅雨前線の影響で大気が不安定となり庄内地方は25日、雷を伴った激しい雨が降り続いた。この雨で土砂災害の危険度が高まったとして気象庁は同日午後1時5分、酒田市と遊佐町に警戒レベル5に当たる「大雨特別警報」を発表した。また、酒田市全域、遊佐町の4地区・計13集落、鶴岡市温海地域の山間部の一部と藤島地域の4集落にそれぞれ避難指示が出された。鶴岡市山五十川では、民家の裏山で土砂崩れが確認され、1世帯に避難指示が出された。雨は26日まで降り続くとみられ、引き続き警戒を呼び掛けている。
山形地方気象台によると、前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、県内は庄内・最上地方を中心に大気の状態が非常に不安定になっている。午前9時10分までの1時間に遊佐町で約110ミリ、酒田市で約100ミリの猛烈な雨が降ったことから午前9時20分には「記録的短時間大雨情報」を発表した。増水した川や山の斜面に近づかず、安全な場所ですごすよう呼び掛けている。
酒田市によると、市内を流れる各河川の水位が上がり、八幡地域の荒瀬川は氾濫危険水位(3・7メートル)を越えたという。大雨で浸水の危険が高まったとして午前11時12分には市全域に避難指示を発令した。
JR東日本山形支店によると、JR羽越本線は吹浦(遊佐町)―羽後本荘(秋田県由利本荘市)間で全ての列車を運休した。26日も始発から運休・遅れが発生する可能性があるとしている。
羽田発庄内行き全日空393便は同日、落雷の影響で1時間33分遅れの午前9時48分に到着。県庄内空港事務所によると、同機には110人が搭乗していた。
酒田、鶴岡市内では同日朝から雨が降り続いた影響で冠水による道路の通行止めが相次ぎ、通勤の足に影響が出た。
2024年(令和6年) 7月26日(金)付紙面より
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鶴岡市三瀬の県栽培漁業センターで育てられたヒラメの稚魚放流が、庄内浜の各漁港で始まった。初日の23日は鶴岡市の由良と米子両漁港、遊佐町の吹浦漁港の3カ所にそれぞれ2万5500匹を放した。
育てる漁業の一環として県漁協が実施している。例年、5月上旬にふ化した稚魚は約3カ月で体長8センチ近くに成長。センターからバケツリレーでトラックの水槽に移し各漁港にピストン輸送している。
このうち米子漁港では防波堤のそばにトラックを横付けし、ビニールの筒で稚魚が傷ついたりしないよう海に放した。作業に携わった漁師の土田信明さん(64)=暮坪=は「稚魚は1年ほどで体長約30センチに成長する。漁師が漁獲できるのは放流数の1~2%といわれる。温暖化による海水温の上昇など課題はあるが大きくなって取れることを願いたい」と話した。
ヒラメの稚魚放流は25日に酒田市飛島、30日に同市十里塚海岸でも行う。5カ所を合わせて約10万匹を予定する。
2024年(令和6年) 7月26日(金)付紙面より
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鶴岡市青少年育成市民会議(三浦孝会長)は24日、高齢男性を保護した鶴岡工業高環境化学科1年の大瀧蒼志(そうし)さん(鶴岡一中出身)と矢口源斗(げんと)さん(鶴岡四中出身)を「善行少年」として表彰した。
友人同士の2人は「海の日」の今月15日午後、同市新形町の市道脇のカーポートで高齢男性(96)が倒れているのを見つけた。自力で歩けない状態だったため男性が乗っていた自転車を歩行器代わりにして2人で支えながら約30分かけて男性宅まで送った。その後、水を飲ませるなどして熱中症対策も施した。
この日、鶴岡市役所で行われた贈呈式では三浦会長が大瀧さんと矢口さんに表彰状を手渡し「適切な対応でお年寄りが救われた。社会の希薄さが指摘されている中、とても模範になる行動」と2人をたたえた。同席した新形西町内会の伊藤博会長は「おじいちゃんは回復して、いまは元気に暮らしている。二人の心優しさに感謝したい」とお礼の言葉を述べた。
大瀧さんと矢口さんは「その日は蒸し暑い日で熱中症が心配だった。『救急車は呼ばなくていい』と言っていたが、何よりもおじいちゃんが回復して良かった」と振り返った。
2024年(令和6年) 7月26日(金)付紙面より
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「土用の丑(うし)の日」の24日、鶴岡市の湯田川温泉街で初の日帰りイベント「丑湯治だI♡♨(あいらぶゆー)」が行われた。夏の丑湯治に合わせて湯田川温泉の魅力を広くPRする企画で、多国籍料理を提供するビアガーデンや地元住民による「たそがれライブ」などが繰り広げられた。
湯田川温泉では毎年、土用の丑の日に「温泉清浄祭」が行われており、由豆佐売神社で温泉の神様へ感謝と伝統の湯田川温泉神楽を奉納する。この日に湯治をすると「風邪をひかない」などのご利益があるとされる。また、清浄祭に合わせて温泉神楽は温泉街でも上演されている。
日帰りイベントは、コロナ禍の間に中断していた温泉神楽が昨年3年ぶりに復活したことを機に、地元民へ湯田川温泉の魅力をPRしようと湯田川温泉観光協会(庄司庸平会長)が初めて企画。前日の23日は前夜祭として、温泉街の正面湯前で神楽を上演した。
この日の午後5時過ぎ、イベントのメインとなる「湯のまちビアガーデン」が開幕。温泉街の旧多楽福亭を会場に、出店した近くの飲食店が孟宗と鶏肉で作るタイの炊き込みご飯「カオマンガイ」や名古屋発祥の台湾風焼きそばなど多国籍料理を提供した。また、遠州屋(鶴岡市)が湯田川温泉とコラボして開発したスイーツ、下北沢のビール醸造所「カノンブルーイング」のクラフトビールなどがメニューに上り、足を運んだ人たちがさっそく好みの料理を注文していた。
屋外ではかき氷が販売され、小学生以下無料とあって親子連れや学校帰りの小中学生の人気を集めていた。このほか鶴岡市在住の2人組ユニット「ヒバリズ」によるたそがれライブが行われ、イベントを盛り上げていた。降雨が心配されたが温泉街での神楽上演も行われ、大勢の見物客が湯田川温泉の夜を楽しんだ。
学校帰りにかき氷を購入した鶴岡四中1年の長谷川尚紀君(12)は「お祭りやイベントが開かれると、たくさん人が来てにぎやかになるので楽しい。もう少し大きくなったら運営を手伝いたい」と話していた。