2024年(令和6年) 8月16日(金)付紙面より
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鶴岡市の「スパイバー」は14日、同社開発の人工構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を使った衣装が、デビュー25周年を迎えたシンガー・ソングライター宇多田ヒカルさんの全国ツアー衣装に採用されたと発表した。今回のツアー衣装について、公演で宇多田さんは「毎回新しい発見があって。軽くて、すごく新しい素材なんだって。ブリュード・プロテインだったかな。すごく環境にいいんだって」とコメントしている。
スパイバーによると、宇多田さんのツアーに衣装協力が入るのは異例で、「新しいプロテイン繊維の可能性や、スパイバーのサステナビリティのビジョンに共感いただき、この度のコラボレーションが実現した」という。
衣装のデザイン・制作はデザイナーの宮前義之さん率いる「A―POC ABLE ISSEY MIYAKE(エイポック・エイブル・イッセイ・ミヤケ)」チームが手がけ、長年にわたって宇多田さんの衣装を担当しているスタイリストの小川恭平さんが監修。流れるような造形美と色鮮やかな色彩が特徴で、ブリュード・プロテインとポリエステルを混織した生地を使用。熱による素材の縮率の違いを生かして変形させながら伸縮性のある生地に仕立てる独自技術を用いて制作したという。
台湾、香港の海外公演を含む宇多田さんの全国ツアーは先月13日の福岡を皮切りに始まり、来月1日まで続く。デザイナーの宮前さんは「ミュージシャンへの衣装提供は今回が初めてだったが、スパイバーの素材の可能性や未来のビジョンに関心と共感を持った。進化を続けながらも普遍的であり、唯一無二の存在である宇多田さんの表現を後押しし、ライブの中で調和しつつ存在感を出せるように工夫した」とコメントしている。
2024年(令和6年) 8月16日(金)付紙面より
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「慰霊と平和を祈る集い」が終戦の日の15日、鶴岡市の護国神社で行われた。戦没者の遺族らが訪れ、戦死者に黙とうをささげた。
集いは市遺族連合会(山田登会長)、荘内神社(石原純一宮司)、自衛隊退職者でつくる隊友会などが主催した。鶴岡公園南側に鎮座する護国神社には遺族連合会の会員や関係者合わせて約20人が参列。石原宮司が恒久平和に感謝する神事を行った後、山田会長が「戦後78年がたったが、多くの犠牲者と苦しみの歴史があったことを忘れてはならない。ここ護国神社に祭られている4930の柱(戦没者の御霊(みたま))を慰霊し、二度と戦火が起きないよう末永い平和を願う」と追悼の言葉を述べた。
神社社務所では遺族会の女性部が戦時中を再現した「すいとん」を参列者に振る舞った。市内から訪れた男性は「唯一の被爆国だからこそ、あらためて強く世界に平和の尊さを訴えたい」と話した。