2024年(令和6年) 9月3日(火)付紙面より
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出羽三山神社(阿部良一宮司)の荘厳な火祭り神事「八朔(はっさく)祭」が31日夜、鶴岡市の羽黒山頂で行われた。時折強い雨が降る中、出羽三山神社の開祖・蜂子皇子の修行をたどった山伏たちが五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。
山伏修行「秋の峰」(8月26日―9月1日)を締めくくる八朔祭は、実った稲がつぶされないように風を鎮める祭り。旧暦の8月1日が「朔日」と呼ばれたことが祭名の由来となっている。
この日の午後9時前、かがり火に照らされた蜂子神社の前庭に山伏たちが集まり、蜂子皇子へ修行の成果を報告。その後、柴燈木が積まれた護摩壇にご神火が付けられると、祭りはクライマックスの「火箸(ひばし)行事」へ。山伏たちが長さ約3メートルの火箸を持ち、体を回転させながら護摩壇を突き火の粉を舞い上がらせた。周囲には参列者が並び、静かに手を合わせて五穀豊穣や家内安全などを願う姿が見られた。
2024年(令和6年) 9月3日(火)付紙面より
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鶴岡市の国指定史跡・庄内藩校致道館で1日、市内の小学生を対象にした「論語素読検定」が行われた。鶴岡教育委員会作製の「親子で楽しむ庄内論語」全55章の中から好きな言葉を選んで暗唱し、素読の数に応じて決まる初級・中級・上級を目指し、子どもたちが懸命に素読に挑戦した。中には32の言葉を暗唱した子どももいて、検定員を驚かせていた。
藩校致道館の教育精神・伝統文化の継承に取り組む同市の致道館文化振興会議(橋本政之会長)を主体に、致道博物館、藩校致道館が2022年に、酒井家庄内入部400年と「親子で楽しむ庄内論語」の作製10周年を記念して初めて実施。継続希望が多く、3年連続での開催となった。市内9小学校の小学1―6年生25人が挑み、開会行事で橋本会長が「夏休みに素読の練習を重ねた思い出は、大人になっても忘れないはず。暑い中、懸命に練習したことを思い出し、皆さん頑張って」と激励した。
同会議メンバーらが検定員となり、藩主が使用した「御入間(おいりのま)」などに一人一人が入室して検定が行われ、「し、のたまわく―」とそれぞれが覚えた言葉を暗唱。わが子の頑張りを見守る保護者の姿もあり子ども以上に緊張の表情を見せていた。
「親子で楽しむ庄内論語」全55章のうち5つ暗唱で初級、10で中級、20で上級合格。上級に挑戦し合格した朝暘二小2年の北俐々(りり)さん(8)は「夏休みに頑張った。上級に合格できてうれしい」とほっとした表情で話した。
参加者には藩校致道館特製の缶バッジとクリアファイルが贈られ、合格検定証は後日、各学校を通じて届けられる。同会議は来年度も実施を検討する。
2024年(令和6年) 9月3日(火)付紙面より
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東北地方の小学生から一般までのアスリートを対象とした中距離(800―3000メートル)のみの記録会「2024東北アスリートディスタンスチャレンジカップ第2戦鶴岡大会」が31日、鶴岡市の小真木原陸上競技場で行われた。「記録にチャレンジ」を合言葉に、子どもから大人まで県内外のアスリートが中距離レースに臨んだ。
同カップは東北在住者、出身者の市民ランナーでつくるクラブチーム「K―project」を中心に上山市、鶴岡市、西置賜地区の各陸上競技協会などが主催。昨年長井市で初めて開かれた。
今年はシリーズ3連戦を予定しており、第1戦は8月4日に上山市で開催。第2戦の鶴岡大会を経て、ファイナルの第3戦は9月28日に長井市で行われる。
初開催の鶴岡大会には東北一円から155人がエントリー。女子が800メートル(小学4年生~中学生)、1500メートル(中学生以上)、3000メートル(高校生以上)で、男子は1000メートル(小学4~6年生)、1500メートル(中学生以上)、3000メートル(同)の計6種目で勝敗が争われた。
レースは女子800メートルを皮切りに、次々と各種目が行われた。この日は時折強い雨が降るあいにくのコンディションとなったが、選手たちはそれぞれ自身のベスト記録を目指し、全力でトラックを駆け抜けていた。
男子3000メートルには県内各地から箱根駅伝経験者など強豪ランナーが多数エントリー。レベルの高いレースを展開し会場を沸かせた。
女子800メートル1組で、トップでゴールに入った余目一小4年の國井結糸(いと)さん(10)は「今日は足が軽くて回転も良く、うまく走れた。グループ1位でゴールでき、とても気持ち良かった。もっと練習して中学生になっても陸上を続けたい」と笑顔を見せていた。
2024年(令和6年) 9月3日(火)付紙面より
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県警が委嘱する「大学生サイバーパトローラー」として「第2回フィッシングサイト撲滅チャレンジカップ」(日本サイバー犯罪対策センター主催、7月22―29日)に参加し団体5位、個人ポイント部門1位と優秀な成績を収めた鶴岡工業高等専門学校の学生3人へ30日、県警本部から感謝状が贈られた。
感謝状が贈られたのは、いずれも鶴岡高専創造工学科の今井瑞祥さん(5年、個人ポイント部門1位)、佐藤琉汰さん(5年)、長谷川智也さん(4年)。
同大会は全国で深刻な被害が出ているフィッシング詐欺被害の防止を目的に、各都道府県警のサイバー防犯ボランティアが特殊ツールでフィッシングサイトを探し出し、関係機関への通報およびテイクダウン(閉鎖)でサイト無効化数を競うイベント。今回は31都道県から46団体356人が参加した。
県内からは鶴岡高専チームが初めて大会へ参加。全体のテイクダウン数2166件のうち150件の無効化に成功し、団体5位に入賞するとともに個人ポイント部門で今井さんが1位を獲得した。
感謝状授与式は県警本部で行われ、長谷川さんを除く学生2人が出席。岡崎浩隆生活安全部長が2人へ感謝状を手渡すとともに「サイバー空間の安全には若い優秀な人材が絶対必要で、今回の受賞は警察にとっても大変心強い。今後も高い志を持って頑張ってほしい」と活躍をねぎらった。
感謝状を受け取った今井さんは「学業や就職活動など制約がある中で、結果が残せてうれしい。大会へ参加したことでサイバー犯罪について改めて考えさせられた。今後もサイバー防犯ボランティアを周囲に広めていきたい」と語った。
2024年(令和6年) 9月3日(火)付紙面より
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創立100周年を迎えた美術団体「白甕社」(齋藤拓委員長、会員103人)の令和6年度美術展授賞式が1日、鶴岡市東原町のグランドエル・サンで開かれた。
今年の美術展には143人(会員78人、一般65人)から絵画や彫刻、版画、工芸など167点(会員86人、一般81人)が出品された。審査の結果、白甕社賞に村上幸志さん(会員)のミクストメディア「彼方へ」と武藤元気さん(一般)の工芸「予感」が選ばれた。出品作は鶴岡アートフォーラムで展示されている(8日まで)。
この日は受賞者24人を含む白甕社の会員ら関係者合わせて約120人が出席。齋藤委員長が「時間や空間を超越して表現したものなど力作が多かった。創立100周年を節目に今後も創作活動に励んでください」と講評、受賞者に表彰状と記念品を手渡した。
引き続き開かれた創立100周年の祝賀会で絵画を愛好する会員は「自分で言うのもおかしいが、創作意欲が衰えることはない。これからも楽しんでキャンバスに向かいたい」と話していた。 酒田地区の出品作と受賞作の展示は9日から酒田市総合文化センターで始まる。入場は無料。