2024年(令和6年) 9月4日(水)付紙面より
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今年7月末に新校舎が竣工(しゅんこう)した鶴岡市立朝暘第五小学校(岡部貞二校長、児童372人)の2学期始業式が2日、同校体育館で行われた。子どもたちが真新しい校舎で始まる学校生活に胸を躍らせながら、「今まで苦手だったことにも新しい気持ちで挑戦したい」と決意を新たにし、新学期に臨んだ。
同校の旧校舎は築60年が経過し老朽化が進んだことから、2022年10月に校舎の改築工事と第五学区放課後児童クラブ(学童保育所)の新築工事へ着手。今年7月26日に新校舎が竣工し、夏休み期間を終えて先月29、30日に児童たちが登校を開始。取り壊し工事が始まる前の旧校舎から新校舎へ移り、新たな環境に慣れるため教室や廊下、避難経路などを確認した。
新校舎での学校生活は2日から本格的に始まり、この日の午後に始業式が行われた。来賓で招かれた皆川治市長が「朝五小の新しい歴史をつくるのは皆さん。勉強や運動を一生懸命頑張ってください」と祝辞を述べた。
続いて岡部校長が「皆さんに新しい校舎でどんなふうに過ごしたいか聞いたところ、『ルールを守って安全に過ごす』『温かい言葉をたくさん使う』『進んであいさつできる学校にしたい』の3つが挙げられた。81日間の2学期も仲間と力を合わせて笑顔で過ごしましょう」と呼び掛けた。
また、児童を代表して5年生の粕谷虹之助君(11)が「新校舎を工事している様子を旧校舎から毎日見ながら『早く新しい校舎に入りたいな』と、とても楽しみにしていた。僕たちがこの校舎を使う初めてのメンバーになるので、毎日丁寧に掃除をして大切に使いたい」と発表。勉強や楽器の練習に励むことを誓った。
この日は新校舎に隣接する第五学区放課後児童クラブの開所式も行われ、関係者がテープカットなどで完成を祝った。
2024年(令和6年) 9月4日(水)付紙面より
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鶴岡市遠賀原のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」で、シェフズ・テーブルや、在来作物の勉強会などを開催するアカデミー棟のロゴマークが出来上がった。デザインしたのは人気ゲーム「ドラゴンクエスト」にアニメーションを取り入れたことで知られるCGデザイナーでアルテピアッツア株式会社代表の眞島真太郎さん(59)=東京都。先月24日に行われた「だだちゃ豆」のアカデミーで、奥田政行オーナーシェフ(54)が参加者にお披露目した。
奥田シェフと眞島さんは7、8年ほど前からの知り合い。東京・銀座の山形県アンテナショップにある「ヤマガタサンダンデロ」は眞島さんお気に入りのレストラン。シェフとも交流があり、これまでも旅先で一緒にスケッチしたことがあり、シェフがイタリアの風景を、眞島さんがキャラクターを描いた色鉛筆画のコラボ作品も、アカデミー内に展示してある。
今回、出来上ったロゴは、甲冑(かっちゅう)をまとった魚を中心に、温海かぶやだだちゃ豆、外内島きゅうりなど庄内の在来作物を皿に配し、「ACADEMY」の文字は勢い余って皿からはみ出している遊び心が満載の作品。眞島さんは「在来野菜については取材して描いた。魚に鎧(よろい)を着せたのはシェフのアイデア」と話していた。この日は、新しいアプリ開発のための勉強会として、アカデミーに参加したという。眞島さんは、同席しただだちゃ豆研究の権威である赤澤經也元山形大農学部客員教授や江頭宏昌山形大農学部教授に、だだちゃ豆の起源やおいしさの秘密などを質問したり、最近、美大で学生に講義をする機会ができたことから、言葉で伝える難しさなどについて話し合っていた。
奥田シェフは、この作品を看板にして、アカデミー棟の入り口に掲げたいとしている。
2024年(令和6年) 9月4日(水)付紙面より
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庄内全89郵便局が扱う大粒ブドウの「ゆうパック出発式」が2日、鶴岡市西荒屋の産直あぐりで行われた。
式には各郵便局長ら関係者約20人が出席。産直あぐりの澤川宏一代表取締役社長が「櫛引地域は昼夜の寒暖差を活用し60品種のブドウを栽培している。今年も甘みがあって食べ応えのあるブドウに仕上がった」、山西地区統括局長で羽前広野郵便局の小林正浩局長が「櫛引産・大粒ブドウのゆうパックは今年で21年目。毎年、全国各地から多くの注文を頂いている。郵便局のネットワークを使ってファンを楽しませたい」、鶴岡郵便局の藤井泰局長が「櫛引産のブドウは甘くてジューシー。待ちかねている全国津々浦々のお客さまに迅速、確実、丁寧にお届けしたい」とそれぞれあいさつした。
櫛引産の巨峰やピオーネ、シャインマスカットといった大粒ブドウのゆうパックは2003年にスタートした。毎年、注文するリピーターが多い。庄内砂丘メロンやだだちゃ豆とともに主力商品に成長した。今年も例年通り来月中旬ごろまで発送を予定。
2024年(令和6年) 9月4日(水)付紙面より
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宗教虐待の実態をリアルに描き、東京のミニシアターをはじめ全国的に広がりを見せている映画『ゆるし』が8月31日から鶴岡まちなかキネマで始まった。監督・脚本・主演を務めた平田うららさん(23)が初日舞台あいさつに立ち、作品に込めた思いを語った。平田さんの父の大(まさる)さん(58)は鶴岡市出身で、同市在住の兄家族らと共に舞台を見守った。
平田さんが映画を撮ろうと思ったのは、宗教二世の友人が遺書を残して自死したことがきっかけ。自身も大学在学中に新興宗教に入信した時に知り合ったという。自身はその後、家族や周囲の人の支えで洗脳も解け、脱会することができたが、そのことで友人を孤独にさせたのではないかと悩んでいた。遺書には「生まれ変わってもお母さんの子でいたい」と書かれていたといい、捨てきれない親への愛を描こうと、三池崇史監督らの元で学び、デビューを果たした。
映画は、幼い頃から母親が入信する新興宗教を信じる女子高生をヒロインに、母親からの虐待や高校でのいじめなどに苦しみながら葛藤する姿を描いた58分の作品。脚本を書くに当たっては300人以上の宗教二世らに取材。製作途中、さまざまな妨害や中傷などを受けたほか、主演俳優が2度も降板したため、やむを得ず自身が演じた。描かれている新興宗教は架空のものだという。
平田さんは「なぜ宗教虐待が起きるのか知ってほしかった。映画を見た当事者の方が、(ヒロインの)すずの『私の人生は何だったの』『私を返して』という言葉が刺さったと言ってくれ、私も救われた」と話し、さらに「すずがおばあちゃんに頭をなでられるシーンは私の祖母との思い出でもある。撮影中に亡くなったが、完成させるまで鶴岡には帰らないという覚悟だったので、こうして作品を持って鶴岡に帰って来られ、墓参りもできて良かった」と笑顔を見せていた。
映画はまちキネで、6日(金)まで上映している。