2024年(令和6年) 9月22日(日)付紙面より
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徳川家康公生誕の地・愛知県岡崎市の「一般社団法人徳川家康公に学ぶ会」(代表理事=大林市郎岡崎商工会議所会頭・岡崎信用金庫最高顧問)主催の「家康公検定2024」が21日、同市や鶴岡市など全国5会場で行われた。昨年に続き鶴岡会場となった荘内神社参集殿では県内各地や宮城県、新潟県、首都圏の小学生から80代までの56人が受検。合格を目指し、家康公と江戸時代に関する問題に取り組んだ。
戦国乱世を収め天下泰平の世の礎を築いた家康公の偉業を顕彰し、家康公に学ぶ機会を提供しようと、同学ぶ会が公益財団法人徳川記念財団(東京、理事長・徳川家広徳川宗家19代当主)と共に2010年から、テーマを変えて実施。13回目の今回のテーマは「大御所時代の家康公―家康公が築いた平和の仕組み」。受検者には事前にテキストとなる副読本が郵送された。
検定は試験時間90分でテーマに沿った四択問題100問を出題。11月1日に結果が発表され、70問以上正解者に、合格証と記念ピンバッジ、受検者全員にオリジナルのマフラータオルが贈られる。歴史が好きで申し込んだという酒田市の小学6年の男児は「副読本はちょっと難しかったけど内容が面白くて、夏休みに勉強した。合格するかどうか、半分ぐらいは自信がある」と話し、大人たちに交じって問題に向かっていた。
徳川四天王筆頭で旧庄内藩主酒井家初代・酒井忠次公の縁や、岡崎信金と鶴岡信用金庫(佐藤祐司理事長)との連携・交流を基にして昨年、鶴岡会場で初の検定が実現した。
2024年(令和6年) 9月22日(日)付紙面より
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長屋や湯屋、呉服店など江戸の下町の建物を精巧なミニチュアで表現した当別企画展「手のひらに、江戸 檜(ひのき)細工師 三浦宏の粋」が21日、鶴岡市の致道博物館で始まった。檜職人の確かな技術で作られたミニチュアの建物からは、江戸下町の暮らしが伝わってくる。
檜細工師の三浦宏さん(1926―2019年)は生前、鶴岡市立藤沢周平記念館の企画展へ4回にわたって作品を貸し出しており、鶴岡市を訪れたこともある。そうした縁から今回、三浦さんにとって庄内では初の個展開催が決まった。
致道博物館側が三浦さんの長女で作品を管理している佳子さん(55)=東京都台東区=へ「可能な限り出品数を多くしたい」と申し出たところ、三浦さんの個展では過去最多となる100点超が集まった。
メインのミニチュアは長屋や湯屋(現代の銭湯)、呉服屋などで、10分の1サイズと20分の1サイズを出展。江戸の人々が旅先で宿泊した旅籠や、居酒屋の元になった「めし屋」など、当時の文化や庶民の暮らしが伝わってくるミニチュア建物も飾られた。床の間や長屋の薄い布団、徳利など建物内部や生活道具も忠実に再現されており、雨戸や障子が閉まるほど緻密な作り。このほか釣り船や火消しのまといのミニチュアも多数展示された。
佳子さんは「1つの会場に父の作品がこれほどそろったことはない。縮尺の違いや作品のボリュームなどを見ながら、江戸下町の世界に迷い込んだ気持ちになって楽しんでもらえれば」と話していた。
展示は11月11日(月)まで。来月20日(日)は荘内神社参集殿で記念講演会が行われ、江戸東京たてもの園の市川寛明園長が講演する。また、11月3日(日)は致道博物館で午前10時と午後2時の2回にわたり日本人形文化研究所の林直輝所長によるスペシャルトークが開かれる。問い合わせは同館=電0235(22)1199=へ。
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三浦宏さんは1926(大正15)年、東京・浅草生まれ。家業の「三浦風呂製作所」を継いで檜風呂や手おけなどを製作した。木製風呂の需要減少に伴い風呂おけ以外の製品作りを試行錯誤する傍ら、子どもの頃から親しんできた和船のミニチュア製作を始めた。
1980(昭和55)年、人形師の辻村寿三郎氏(故人)による「吉原展」の開催に当たり、三浦さんへ鼓楼「三浦屋」のミニチュア製作が依頼された。完成したミニチュアは3メートル四方に及び、その精巧さで大きな話題となった。これを機に、三浦さんは江戸期の家屋や船などの製作に力を入れるようになり、2019(令和元)年92歳で亡くなるまで建物だけで100点超のミニチュアを作った。
2024年(令和6年) 9月22日(日)付紙面より
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豪雨災害の警備対応研修会が20日、鶴岡警察署で開かれた。庄内3警察署の署員と機動隊庄内分駐隊員合わせて約50人が参加。一般社団法人日本自動車連盟(JAF)山形支部の野川智伸さん(52)を講師に大雨で車が水没する危険性について知識を深めた。
今年7月の豪雨災害で救助要請を受けた警察官2人がパトカーごと流されて殉職した。研修会は気候変動で豪雨災害が多発する中、危険箇所の交通誘導や住民の避難誘導など災害警備の的確な対応を身に付けようと野川さんを講師に招いた。
講話で野川さんはJAFが実施した冠水道路の走行実験の動画を紹介した。その中で野川さんは「実験ではセダンタイプでも、車高が高いSUV車でも水深60センチでエンジンに水が入って止まり水圧でドアが開かなくなった。冠水した道路は迂回(うかい)するか、立ち入らないことが大切」と解説した。
「VRゴーグル」を着けて車が浸水する状況を疑似体験した鶴岡署員(24)は「冷静沈着に対応しても実際にはパニック状態になると思う。何もできず、水に沈んでいくような怖い思いがした」と感想を話した。
研修ではこのほか、冠水した道路に立ち往生した車のけん引方法などについても学んだ。