2024年(令和6年) 9月28日(土)付紙面より
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水稲日本三大品種「亀の尾」発祥の庄内町で、同町産の米を中心にオリジナル商品の開発やブランドづくりを行う「山形庄内かめこめプロジェクト」(梅木隆一郎代表)の活動が3年目を迎えた。7月に百貨店バイヤーらと行った商談会を今月26―27日にも開くなど首都圏への売り込みに力を入れている。梅木代表は「首都圏バイヤーなどとの人のつながりをもっとつくることが重要。商品だけでなく町の魅力そのものを伝えていきたい」と意気込んでいる。
同プロジェクトは、2022年度よりスタート。地元の素材を生かした商品開発や観光事業などに取り組む地域商社・四万十ドラマ(本社・高知県四万十町、畦地履正社長)とタッグを組み、同社からノウハウ提供などを受けながら、「田んぼに水を張り続け、美しい田園風景を守っていく」をビジョンに掲げ、町産品のブランド化事業を進めるもの。
メンバーは地元商店主、農家、通販サイトや行政関係者など約15人。1年目は町内資源の確認や商品開発の方向性を策定。2年目にはオリジナル商品の開発、販路拡大などに取り組んだ。東京都内にある米商品の小売店や酒販店などの視察を重ね、電子レンジでも手軽に温められる庄内産つや姫100%の「つや姫だんご」(380円)、庄内ならではの丸餅文化をプチギフトにした「庄内まるもち」(同)、亀の尾をルーツとするつや姫、雪若丸、はえぬき、玄米(つや姫)など5種を食べ比べできる「お米の食べ比べセット」の3点を商品化した。
3年目となる今年は開発した商品を夏ごろから販売開始。新たに米粉クッキー、煎餅、スイーツ、塩こうじを使った4商品の開発に着手した。7月には三越伊勢丹など都内の百貨店や飲食店、通販サイトのバイヤーを招き、同プロジェクトで生み出された商品や地元企業の商品をPRしようと商談会を初開催。バイヤーからは「庄内は自然が豊かで、素材は非常に素晴らしい。ただ、それを伝える力はまだ弱い」などPR不足も指摘されたが、商品や素材は高評価だった。同プロジェクトでは、今月も首都圏バイヤーとの商談会を開き、全国への足掛かりにしたい考えだ。
事務局の町商工観光課の荻原直新産業創造係長は「ホップ・ステップ・ジャンプのホップの3年間が終わり、来年度からいよいよステップの時期に入る。首都圏のバイヤーとの関係性を築きながら、情報共有を進め、商品PRをしていきたい」と話していた。