2024年(令和6年) 10月30日(水)付紙面より
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東北芸術工科大学(山形市)の学生が25日、漬物製造の「マルハチ」(庄内町廿六木、阿部武秀代表取締役)を訪問。販売促進企画を考案するため、酒田市内の契約農家、同町の工場を見学し製造工程や商品への理解を深めた。
訪問したのは芸工大企画構想学科の緑川岳志教授(社会実装、マーケティングなど)のゼミ生6人。若者の漬物離れや米離れを喫緊の課題と捉えた同社が、若い世代へのPR方法を考案してもらおうと初めて企画した。
ゼミ生と緑川教授たちはこの日、契約農家を訪問。同社商品「やわらか菜」の原料の小松菜を栽培しているハウスや、赤カブ漬商品「雪ん娘(こ)」の原料のカブ畑などを見学し、同社原料課の東海林敬子チーフから野菜の特徴や栽培方法などの説明を受けた。
学生たちは「収穫は全て手作業ですか」「カブの葉は食べないのですか」「動物被害もあるのですか」など熱心に質問。収穫体験をしたり採れたての野菜を食べてみたりと理解を深めていた。
庄内町余目出身の3年・佐藤稜太朗さん(21)は「畑を訪れて初めて知ることが多くあった。マルハチの強みを生かし、若者に興味を持ってもらえるような企画を考えたい」と。阿部社長は「若い世代ならではの新しい発想や同世代に向けた販促企画が生まれることを期待している」、緑川教授は「うわべだけの企画にならないよう、商品がどこからできるのか、生産者の思いなどを知ることはとても重要。学生が地域の理解や敬意を持って企画を考案し、企業と学生にとって互いに良い経験になれば」と期待を話した。
ゼミ生たちは企画提案後、学生主体で実際に販促活動を実施する予定という。