2024年(令和6年) 4月9日(火)付紙面より
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官民一体となりNHK大河ドラマの誘致実現を目指す「庄内町『清河八郎』大河ドラマ誘致協議会」(阿部武敏会長、事務局・町教育委員会社会教育課)は、同町出身の偉人・清河八郎が北辰一刀流を修めた際の免状「兵法免許箇條目録」や清河神社境内の座像をミニチュアにしたカプセルトイを制作した。今月6日に清川グラウンドを会場に行われた「きよかわマルシェ」で初お目見え。同協議会のブースで紙甲冑(かっちゅう)の着付けにチャレンジした児童・生徒が無料で体験し、好評を得た。今年5月には町内6カ所にカプセルトイを設置する予定で、同協議会では「まずは地元の子どもたちに楽しみながら八郎について知ってもらいたい。今後は歴史ファンや観光客に向けてもPRしていきたい」と期待を寄せている。
八郎は1830(天保元)年10月10日、出羽国田川郡清川村(現・庄内町)に生まれた。幕末の激動期、諸外国から日本を守るため、対等な立場で交易を進めるべきと考え、横浜の外国人居留地の焼き打ちを決行するなど尊王攘夷運動を推進。そうした行動があだとなり、34歳の若さで幕府側の刺客に暗殺された。八郎が組織した浪士組を母体に、会津藩による京都警護の「新選組」、庄内藩による江戸警護の「新徴組」が誕生している。
同協議会はドラマ誘致とともに、八郎の人間像を広く伝え、交流人口の拡大を図ろうと2018年に設立。今回は歴史に興味のない子どもたちにも楽しく触れてもらおうと昨年夏ごろから清河八郎記念館(廣田幸記館長)や酒田市の印刷業「コマツ・コーポレーション」と協力し、カプセルトイ制作を進めてきた。
カプセルトイに入っているミニチュアは全10種類。座像のアクリルスタンドやデフォルメキャラクターの缶バッジ、キーホルダーのほか、八郎が使ったと伝わる脇差、1851年に入門した千葉周作道場・玄武館で北辰一刀流を修めた証し「兵法免許箇條目録巻物・初目録」(町指定有形文化財)、道場を開くことができる免状「同・中目録」(同)といった“マニア心”をくすぐるものもある。アクリルやプラスチック、紙製でいずれも大きさは約5センチ。
同協議会では、きよかわマルシェでのお披露目を皮切りに、今年5月ごろ第2弾として町新産業創造館クラッセ、町立図書館、清河八郎記念館、清川関所、ギャラリー温泉「町湯」、道の駅しょうないの計6カ所にカプセルトイを設置する予定。1回価格やシークレットアイテムの有無も含め検討している。