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2005年(平成17年) 12月10日(土)付紙面より

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旧温海町の花『マルバシャリンバイ染め』 新たな特産品に

 温海町商工会女性部(本間紀枝子部長、部員107人)は、旧温海町の町の花として親しまれてきたマルバシャリンバイを利用した草木染めの特産品開発に取り組んでいる。染めた布をスカーフやコサージュなどに仕上げ、温海を代表する伝統的工芸品の「しな織」に次ぐ土産品を目指す。8日には原料となるマルバシャリンバイの実を使った草木染め作業を行った。

 県商工会女性部連合会が本年度創設した若手後継者育成事業制度の中の地域ビジネス化支援事業の補助を受けて取り組む。

 マルバシャリンバイは、バラ科の暖地系常緑低木で、日本の中部以南の海岸に自生し、5月から6月にかけて無数の白い小さな花を咲かせる。旧温海町は、日本海側の自生地としては北限で、庄内浜の温暖な気候の特性を示すものとして、一部の自生地が県指定天然記念物に指定されている。

 同女性部では昨年から、市町村合併を見据え、地域の特性を伝える商品開発としてマルバシャリンバイに着目。今年4月に同支援事業の受け皿として実行委員会を立ち上げ、活動の中心となる「あーばぁー工房」を発足。7―8月には研修としてコサージュ作りに挑戦し、試作品は旧温海町最後の議会となった9月定例会で町議や町特別職にプレゼントし好評を得た。

 原料となるマルバシャリンバイの今年の実がついたことから、商品づくりに向けた作業が本格化。原料の実は先月22日に部員有志が群生地の鼠ケ関地区で計45キロを摘み取った。
 この日の草木染め作業には役員ら11人が参加。鶴岡市在住の染色家、大野貴司さんを講師に、生の実からの色の抽出法や染色、色を定着させる媒染(ばいせん)までの手順を教わった。

 大野さんによると、マルバシャリンバイを染料として利用するのは全国にも例がないという。部員たちはビー玉ほどの真っ黒な実を手で丁寧につぶした後、薬品を使って色を抽出。黒豆などと同じアントシアニン系の鮮やかなルビー色が表れると、部員たちは真っ白なシルクのスカーフや布地を丁寧に染め上げていた。

 同女性部では染め上がった布を和装小物などに仕上げ、年明けの同女性部の会合でお披露目する予定。その後、商品開発と並行しながら温海地区の観光施設などでの販売を見込んでいる。

 本間部長は「温海にはしな織もあるが、観光客にはちょっと手が届きにくい価格。そこを埋める手ごろな土産品を目指したい。女性の感性を生かした商品開発で、将来的にはしな織と組み合わせた小物などにも挑戦したい」と話していた。
 

草木染めの原料となるマルバシャリンバイの黒い実をつぶす部員たち=8日
草木染めの原料となるマルバシャリンバイの黒い実をつぶす部員たち=8日


2005年(平成17年) 12月10日(土)付紙面より

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旧3町の課題話し合う 地域協議会が発足、初会合

 酒田市の旧3町に設置された地域協議会の初会合が8日、各総合支所などで開かれた。阿部寿一市長が委員に委嘱状を交付し、早速、地域の課題について話し合った。

 地域協議会は、合併協議を進める中で、特に旧3町側から「地域住民の声が届かなくなるのでは」といった懸念が強まったことを受け、市で独自の条例を制定して設置された。市長の諮問に基づいて新市建設計画の変更などを審議したり、地域づくりに関するソフト面の予算などを協議し、市長に意見を述べることができる。旧酒田市ではコミュニティ組織がこれに代わるとして設置しない。

 委員は公共団体の推薦、有識者、公募の3種の選任枠から八幡、松山、平田で各15人が選任された。任期は今月1日から2007年3月末まで。報酬は年額2万円程度。

 この日、八幡総合支所で行われた八幡地域協議会の初会合では、協議に先立ち、阿部市長が各委員に委嘱状を交付し、「合併協議の中で総合支所とともに大切な組織に位置づけられた。行政と地域の橋渡し役に期待する」とあいさつ。

 続く協議では「選挙用の連絡所などの看板が多すぎてまちの景観上、問題。申し合わせで選挙期間以外は撤去できないか」「山菜採りで町民以外からは入山料をもらい、クリーン作戦などの経費に充ててきたが、合併に伴って徴収をやめる。これに代わる自然環境保全の経費を市で予算化してほしい」「3つの地域協議会が情報交換する場があってもいい」など、普段感じている疑問や意見が活発に出ていた。

 年3回程度の会合を予定。本年度は今後、1月中旬ごろに旧酒田市のコミュニティ組織について、2月上旬ごろに06年度予算要求の概要などをテーマに協議する予定。

 役員の互選で、八幡では会長に後藤純子さん(有識者枠、前教育委員)、副会長に大瀧雅士さん(同、読み聞かせボランティア)、松山では会長に山中俊さん(同、区長会長)、副会長に土田迪子(同、前教育委員長)、平田では会長に小林隆逸さん(同、区長連絡協議会長)、副会長に阿部時男さん(公共団体推薦枠、公民館連絡協議会)がそれぞれ選任された。

 その他の委員は次の通り(1は公共団体推薦、2は有識者、3は公募の各選任枠。カッコ内は推薦団体、役職など)。

 ▽八幡地域協議会1安藤浩夫(町商工会)佐藤ひとみ(同)遠田清之(大沢公民館運営協)小野明美(一條公民館運営協)堀茂雄(JA庄内みどり)加藤智子(同)2村上三喜郎(元議会議長)荒生豊(青沢区長)佐藤貞夫(新出区長)高橋知美(鳥海やわたインタープリター協会員)3田村和徳(会社員)後藤泉(同)池田善幸(同)

 ▽松山地域協議会1菅原功(南部公民館運営協)冨樫茂(山寺公民館運営協)阿部茂(松嶺公民館運営協)寒河江久也(内郷公民館運営協)小田和夫(町商工会)齋藤尚(芸文協)佐藤ゆき子(民生児童委員協)今田充代(婦人会連絡協)須田良(JA庄内みどり)2齊藤薫(庄内中央JC理事長)3佐藤洋子(農業)遠田聡(同)木村美津枝(主婦)

 ▽平田地域協議会1石黒一喜(公民館連絡協)阿蘓勝(区長連絡協)丸山賢治(町商工会)石川均(平田体育協会)石黒敏行(認定農業者協)高橋絹子(民生児童委員協)菅原律子(婦人会連絡協)2佐藤富雄(前教育委員長)佐藤きく子(婦人会連絡協議会長)太田美佐子(民生児童委員)3佐藤達也(会社役員)佐藤良二(区長)冨樫文雄(農業)

酒田市で、住民の声をきめ細かく行政に反映させるための地域協議会がスタート=八幡地域協議会
酒田市で、住民の声をきめ細かく行政に反映させるための地域協議会がスタート=八幡地域協議会



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