2005年(平成17年) 12月28日(水)付紙面より
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庄内町榎木のJR羽越本線の砂越―北余目間で、秋田発新潟行き上り特急「いなほ14号」(6両編成)が脱線、転覆した事故で27日午後、先頭列車の下から新たに女性の遺体が見つかり、事故による死者は5人になった。庄内署の調べで、遺体は事故当日から行方が分からなくなっていた鶴岡市泉町、山形地検鶴岡支部事務官、江本陽子さん(28)と確認された。県警などはさらに2人がいる可能性もあるとみて、28日午前10時から大型のクレーン車を使って車両を取り除く作業を開始、ほかに乗客がいないか捜索を進めている。
庄内署の捜査本部によると、江本さんの遺体は線路東側のたい肥小屋に衝突し、「くの字」に曲がった6号車の下敷きになっていた。スコップでたい肥を取り除いたところ、27日午後3時44分ごろ、車両の下で頭部、その後、肩の部分が発見された。大破した車体が妨げになり作業は難航し、遺体を収容したのは約4時間後の午後7時55分ごろだった。江本さんはあおむけの状態だった。死因は外傷性ショック死とみられる。
江本さんの母親から26日未明、庄内署に「事故列車に乗ったはずだが、自宅に着いていない」と連絡があり、27日午前に捜索作業が再開されていた。
このほか、30歳代と見られる女性と4歳ぐらいの女の子が乗っていたという目撃情報があり、28日午前、310人態勢で捜索が再開された。
捜索は、200トンのクレーン車で車体をつり上げて移動させ、乗客が残っていないか確認する。先頭から2両目の5号車の台車と5号車を撤去した後、6号車に取りかかる。当初は昼ごろの作業開始が見込まれていたが、クレーン車の搬入路の確保が予想以上に早く進んだため、午前10時半ごろに始まった。午前中に台車の撤去を終え、昼過ぎに5号車を移動させ、5号車と6号車の間の地面の掘り起こし作業を進めている。
クレーンで車両をつり上げ、周辺を捜索=28日正午すぎ