2005年(平成17年) 12月9日(金)付紙面より
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栃木県と広島県で小学1年生が下校中に殺害されるなど、児童を狙った凶悪事件の発生を受け、鶴岡市の朝暘第四小学校(三井秀雄校長、児童604人)で8日、寸劇形式の声かけ不審者対応訓練が行われ、児童たちが対応や予防策を学んだ。
同校が鶴岡警察署の協力で行った。訓練では「道を聞かれた」「親の緊急を装う」「手をつかまれ車に乗せられそうになる」の児童を連れ去る3つのケースを想定。
署員がふんした不審者が、ランドセルを背負って下校中の児童を呼び止め、「お母さんが事故に遭って入院した」などと話し、児童の手をつかみ、車に連れ込もうとした。その際、児童は早めにその場から逃げ、「助けてー」と大きな声をあげて周りの人に助けを求めるなど適切に対応してい
た。
児童を代表して1年生の安野ひかるさん(6)は「最初はどきどきして泣きそうになり、とても怖かった」と話していた。最後に同署の生活安全課では▽知らない人にはついていかない▽一人で遊ばない▽どこで誰と遊ぶか家の家の人言ってから出かける▽大きな声で助けを呼ぶ―の4つの約束を児童に訴えた。
鶴岡署員ふんする不審者が児童を連れ去ろうとした訓練
2005年(平成17年) 12月9日(金)付紙面より
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酒田市内の公立4高校再編問題で、県教委と同市は7日、県立の酒田商業、酒田工業、酒田北を統合して工業、商業、情報の3学科を持つ総合選択制の専門高校を新設し、市立酒田中央は県に移管して普通科高校とすることで合意した。学級数は専門高が商業3、工業4、情報1の計8学級、中央が普通3学級を軸に詰めていく。新設高の建設地は中央の北側隣接地が候補に挙がっている。専門高の開校は県教委の当初予定通り2011年度を目指し、中央の県立移管もこれに合わせる。
阿部寿一酒田市長が同日、県庁を訪れ、再編に関する同市の回答書を佐藤敏彦県教育長に手渡した。回答書では、将来的に中央を専門高に統合することを検討課題の一つに挙げた。県高校改革推進室は「酒田市とのこれまでの事務協議の中で、酒田飽海地区の中学校卒業者数の減少、酒田中央校舎の老朽化などのかかわりから再統合を検討した。時期は早くても15年度以降」とし、専門高開校から5年程度で再統合を視野に入れていることを明らかにした。
また、県立移管までの中央の学校運営に関し、酒田市の松本恭博企画調整部長は「移管時の急激な学級減は何らかの形で避けねばならない」と述べ、現在は普通4、商業科・情報ビジネス1の計5となっている中央の学級数について、地区内の他校の動向を見ながら学科改編・学級削減を検討する考えを示した。また、入学者が女子のみとなっている普通科について「再編をにらみ、男子生徒も入学できる共学高校であることを、地区内の中学校にPRしていきたい」とした。
隣接する専門高と中央は相互の施設活用や生徒、教員の連携・交流を進める。県教委は、今年3月に設置した新高校の構想検討委員会を来年1月にも再開し、新設の専門高の教育理念とともに、中央との連携のあり方も検討していく方針。専門高については来年度、関係する各高校の教職員を中心とした基本計画策定委員会を設置し、県内初となる情報科の学習内容などを詰める。その後は、07年度に校舎の基本設計、08年度に実施設計を終え、09―10年度に建設の予定。
阿部酒田市長(左)が高校再編の回答を佐藤県教育長に提出し、専門高新設と酒田中央の県立移管に合意した