2006年(平成18年) 1月17日(火)付紙面より
ツイート
庄内町千河原地区の伝統行事「やや祭り」が15日、地区内の八幡神社で行われた。上半身裸の子供たちが肩口から冷水を浴び、無病息災や身体堅固を願った。
やや祭りは、安産の神様をまつる同神社に古くから伝わる子供たちが主役の祭り。上半身裸の男の子たちがわらを編んだ「けんだい」と呼ばれる腰巻きを身に付け、両手にろうそくを持って冷水を浴び、神社にお参りする。今年は最年少4歳の金子春希君、渡会達也君の2人をはじめ、14歳までの男子22人が参加した。
この日は風がなく穏やかだったが、それでも日中の気温は5度前後。子供たちが1人ずつ用意された舞台に立つと、白装束の大人たちは子供たちの肩口から勢いよく冷水を浴びせた。笑顔で余裕を見せる子や、中には泣き出しそうになりながらもぐっと耐える幼児もおり、集まった見物客や家族からは「ほれ頑張れー」「よく泣かなかった」と声援が飛んだ。寒さに負けない子供たちの元気な様子が祭りを盛り上げた。
「うわ、冷たーい」。冷水をかけられ、泣きそうになりながらもぐっと我慢
2006年(平成18年) 1月17日(火)付紙面より
ツイート
国宝に指定されている羽黒山五重塔(鶴岡市手向)で16日、雪下ろしが行われ、出羽三山神社職員らが屋根に積もった2メートル近い雪を払った。
羽黒山五重塔は、承平年間(931―938年)に平将門が建てたとするものなど建立には諸説があるが、東北最古の塔とされている。高さ25メートル、三間五層の「<柿葺素木(こけらぶきしらき)造り」の荘厳な姿で、1966年に国宝に指定された。
雪下ろしは、雪の重みから国宝を守る重要な作業で、冬の羽黒山の風物詩の一つ。今年は、昨年12月中旬からの大雪で、1月半ばですでに各層の屋根は1・5メートル―2メートルの積雪となり、例年2月中旬に行っている作業を約1カ月早めた。
この日は午前9時から同神社職員や委託業者の作業員7人が作業を行った。塔の中のはしごを使って最上階などの屋根に上り、腰に命づなを巻いての作業。地上約24メートルの最上階では塔のてっぺんにある九輪に命づなを結び、スコップで雪を取っては下に落としていた。同神社職員は「この時期でこれほど雪が積もっているのは近年ない」と話していた。
五重塔周辺は真っ白な雪に覆われてシンと静まり返り、雪が落ちる「ドスン」という音だけが杉木立の中に響き渡っていた。
静かな杉木立に雪下ろし作業の音だけが響いた