2006年(平成18年) 1月26日(木)付紙面より
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庄内地方に数多く残るひな人形を巡る春のテーマ観光「庄内ひな街道」が今年も3月1日からスタートする。今シーズンはテーマを「遥(はる)かな微笑(ほほえみ)物語」と装いも新たにし、500円で乗り放題の「周遊バス」と郷土伝統工芸の「ひな体験コーナー」を新設するなど、観光客にひな街道の楽しさを存分に味わってもらう構成で繰り広げる。
「庄内ひな街道」は、2000年に「酒田雛(ひな)街道」と「鶴岡雛物語」をタイアップして始まった。庄内に江戸時代から残る数多くのひな人形を目玉に、庄内観光コンベンション協会が四季をテーマに庄内の広域観光を売り込む事業の中でもメーンに位置付けられ、訪れる観光客も年々増加している。昨年12月には、文化庁が選定した「私の旅100選」で特別賞に選ばれた。
今シーズンは鶴岡、酒田を中心に20施設で、3月1日から同31日までの1カ月間(一部施設は2月中旬から4月上旬)にわたり展示を繰り広げる。
今シーズンの目玉は、メーンのバス運行で「周遊バス」を新設する。従来の入場料も含めた予約制の方式から500円のワンコインで1日乗り放題の方式に変更し、課題だった二次交通の充実、観光客の利便性を図る。
酒田方面、鶴岡方面それぞれ1日3便ずつを運行する。酒田方面の「(みなと)町酒田号」は1、2便が庄内空港発着でJR酒田駅―本間美術館―相馬樓―旧鐙屋・本間家旧本邸―山居倉庫を巡る。最終の3便目は山居倉庫から酒田駅―庄内空港に向かい湯野浜、由良各温泉経由で終点は温海温泉。
一方、鶴岡方面の「城下町鶴岡号」は3便ともJR鶴岡駅発とし、庄内観光物産館―致道博物館―荘内神社―丙申堂―蝉しぐれオープンセット―松ケ岡を巡るルート。1、3便は温海、由良、湯野浜各温泉と庄内空港を経由する。酒田号と鶴岡号は庄内空港で接続する便もある。
周遊バスが新たに運行されるのに合わせ、今シーズンのひな街道のガイドブックには酒田、鶴岡両市街地の散策マップを掲載した。酒田、鶴岡両駅を起点に市街地の主要展示施設までの徒歩による所要時間を記し、街歩きにも配慮した。
一方、体験コーナーは、「もうひとつの雛街道」と銘打ち、飾り物をかさに吊るす「傘福(かさふく)づくり」(酒田市、山王くらぶ)、ひなの絵付けなどを楽しむ「雛街道陶芸教室」(鶴岡市、松ケ岡)と「ひなろうそく」(同市、富樫絵ろうそく店)で3テーマを設定し、楽しんでもらう。
同協会では、ひな街道を紹介したガイドブック(縦21センチ、横10センチ)を2万5000部作成。各展示施設や旅行エージェントに配布するほか、都内や首都圏の駅にポスターを掲示してキャンペーンを展開する。
3月1日から始まる庄内ひな街道のガイドブック
2006年(平成18年) 1月26日(木)付紙面より
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今冬の大雪に伴う県内の死傷者が200人を突破したことが県総合防災課のまとめで分かった。記録が残っている1975年度以降、1月の同時期としては記録的なペース。2000年度の220人を上回る過去最多の人的被害の発生が懸念されることから、同課では雪下ろし作業時に注意するよう警戒を呼びかけている。
同課によると、24日までの雪下ろしや除雪作業などの事故による死者は9人、重傷が109人、軽傷が83人で、死傷者の合計は201人となった。12月の大雪で除雪作業中のけが人が急増し、昨年末までの死傷者は101人と大台に乗るハイペースだった。
庄内関係の死傷者は16人。鶴岡市が10人と多く、遊佐町3人、庄内町2人、酒田市1人と続いている。死者は1人で、今月15日に鶴岡市川代で、除雪作業中の50代の男性が屋根から落下した雪の下敷きになり死亡した。重傷が7人、軽傷は8人。
雪下ろし中に屋根やはしごから転落したケースが10人と圧倒的に多い。ほかに雪の落下、作業中の転倒などがけがに結びついた。
県内の雪害関連の死傷者は00年度の220人が最多だった。やはり大雪に見舞われ、旧立川町で3人が死亡する雪崩事故が発生している。ただ、この死傷者数は3月末までの数字で、今冬は今後も降雪が予想され、さらに死傷者が増える可能性がある。過去2番目の死傷者が出た昨冬の160人をすでに大きく上回っている。
同課によると、雪下ろし時の事故は作業終了間際の発生が多い。取り除く雪が残りわずかとなったところで転落したり、作業を終えはしごから降りる時の落下も目立ち、一瞬の気のゆるみが事故につながっている可能性も指摘されている。
26日も冬型の気圧配置が続き、降雪が予想されることから、同課では雪下ろし作業時の注意を促す一方、雪崩に対する警戒も呼びかけている。
大雪のため庄内でも各地で雪下ろし作業が行われている。事故の増加も懸念される=20日、鶴岡市上名川